ジャーナリストが図書館をどのように利用しているかを、著者自身の体験と図書館に関する調査・取材からまとめたものです。図書館で文学作品を読みたい人にはあまりお勧めではありません。
前半は図書館の現状、利用の仕方の基礎とノウハウ、さらには図書館サービス上の問題などがかなり詳しく書かれており、普通に図書館を利用するだけではわからないことも多く、参考になります。私立大学の図書館は私も一般公開してほしいところですが、高校以下の学校図書館は池田小事件なんかを思い出すと無理かなと思います。
後半がおそらく好みの分かれるところで、国会図書館を初めとする各種図書館の紹介(国会図書館を含め大半は首都圏の図書館です)、図書館が抱える問題点の考察、そしていちばん最後のおよそ2割は自慢話になります。
関西在住で、出張のほとんどない職業でフルタイム勤務者の私には、首都圏の図書館の話はほとんど無関係であり、これだけ地方の図書館に行っているのだから、もう少し地方の図書館の紹介をしっかりやってくれればよかったと思います。せっかく私の出身地の札幌には、市区町村図書館として全国第2位の蔵書数を誇る図書館があるというのに……。
あと、いちばん最後の訴訟のくだりは、本書としては不要だったのではないでしょうか。特に、裁判に勝ったという話が1〜2ページに渡って書かれ、最後の数行で「この裁判にあたって〜のような図書館の資料を利用した」というだけなら、図書館の利用法とはほとんど無関係です。上記のようなタイトルをつけている以上、本書を手に取る読者の大半は図書館の利用法に関心があるはずなので、どうしても書きたいのなら最初の数行で「〜という裁判を起こすことにした」と始め、そのためにどのような資料をどのように探し、その過程でどのような資料に出会いどのように活用したかを1〜2ページに渡って書くのが本来の書き方のはずですよね。