『ネットではできない資料探しの「技」と「コツ」 』というところが素敵です。前書きにある、「調べてみたけけど、ネットにはありませんでした」というのは私も職場で経験していますし、「多くの人がネットで書いている事は正しい」と信じ込んでいる人にもお目にかかったことがあります。ネットのように、個人の考えをストレートに出してもそのまま掲載されてしまうメディア(もちろん、その特性の良い面も多々あります)と出版物や学術論文のように編集者や査読者の意見が反映された上でないと世の中に出ないメディア、あるいは官公庁が責任を持ってまとめた統計情報などとの違いが分からなくなってしまってる人が増えてしまっているようです。
現役の記者である著者は、きちんと足で稼いで取材されています。その中で、「図書館」をどのように活用するのか、というノウハウを、読者に開示してくださっています。ネットで何でも調べられる、という時代ですが、それでも特定の地方に関わる情報など、ネットでは十分に調べられないものが多々ありますし、官公庁のサイトでも、公開されている情報はある程度まとめられた数値になっている事が多く、特定の地方の特徴が丸めて表示されてしまう場合があり、そのような時に、「オリジナルな資料」にあたる事が重要で、それが出来るのが、『図書館』である訳です。巻末には、「使える図書館」の情報もまとめられています。
図書館学、といった図書館を運営する側の論理で書かれた本はたくさんあるようですが、図書館を使い倒しているヘビーユーザーの視点で書かれたこの本は、図書館に対する貴重な意見であると同時にネット依存への警鐘でもあると思いました。