難病患者の気持ちを率直すぎるくらい描写した本で、ここまで辛い症状、病気にも関わらず、健気に生きようとする姿勢に頭が下がるし、感心もしたし、また日本の医療現場の抱える多くの問題や福祉行政の闇に切り込んだ姿勢も素晴しいのだが、私自身が末期癌を患い、治る見込みもない状態で本書を読んだ結果、今まで自分が押さえ込んできた不安や鬱や辛い日々が読後にフラッシュバックしてしまい、涙が止まらなくなり、本書の副作用ともいうべきマイナス効果に打ちのめされてしまった。
彼女の感じるような物理的な痛みは私の癌の場合には感じることはないのだが、心の痛みは末期癌も難病も同じなんだと痛感した。痛みのないだけ、私の方が恵まれているが、本書を読み通すのは辛すぎた。
医療とは良い医者との巡りあいに左右され、偶然の要素が大きく、また環境次第では難病は殆ど助からない(友人、家族の支援、経済的な状況で生き死にが左右される)というのは全くその通りだと思う。本書が売れ、著者が経済的に少しでも救われ、生きがいも生まれ、闘病への力となることを祈る。