深刻な問題や悩みは、じつは思っているよりもシンプルであることを示してくれる。
課題の分離(それは誰の課題か、誰が責任をもつべき問題であるのか)や、〈原因〉ではなく〈目的〉を自覚すること、また、思いを正確に言葉にして伝えることを通じて、複雑にもつれた(ように思える)問題がほどけてくる。
問題を誤解したまま悩み続けても答えは出せないが、この本は、悩みの具体例に答えていく形で、問題を正確に把握することを教えてくれる。そうなれば、あとは自ずと答えは見えてくるはず。「深刻に」悩むのではなく、「真剣に」取り組めるよう援助してくれる。
著者と著者の父親とのエピソードは、私自身の親子関係の今後を予見させるような気がして、感慨深い。
また、様々な立場からの悩みをとりあげているので、たとえば親は子どもがどんなふうに悩んでいるのか、子どもは親がどんなふうに悩んでいるのか、一冊通して読むことで、相手の立場からの悩みを知り、考えることもできる。
ある意味では厳しく、しかし優しさに溢れた、一歩を踏み出す勇気を与えてくれる本。