団塊の世代および団塊ジュニア世代は,日本におけるその人口構成比の大きさから常にマーケティング分析の対象となってきた.この両世代が今,それぞれに転機を迎えている.一方の団塊の世代は,2007年問題としても取り上げられることが多いが,その多くがこの4~5年にかけて集中的に定年退職を迎える.団塊ジュニア世代は,本来であれば家族を形成する年代を迎えて,消費性向の変化や消費の活発化が見られるはずであるが,少子化・晩婚化の傾向が高まり,従来の家族を中心とした消費は減少傾向にある.
本書では,こうした両世代のライフスタイルを豊富なデータに基づいて分析し,これからの家族像を捉えるモデルとして,「平成拡大家族」なるコンセプトを提案している.これは大雑把に言えば,団塊世代から団塊ジュニア世代に対する富の移転による社会全体の活性化を先取りする考え方と言えよう.
この提案が有効かどうかは実際に試してみなければわからないが,これからのマーケティングを考える上で,有用な視点を数多く提供した1冊となっている.