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この本を読んでそれが誤りであったと判った。
コンピューターはアッペルとハーケンが可約配置の不可避集合というアプローチの中で、地図の配置の検討に使われてる。だが、その「可約配置」「不可避集合」というアプローチに至るまでに、6色問題の解決、5色問題の解決、放電法、バーコフのダイヤモンドなど人間の叡智が積み重なったものであり、それぞれのアプローチも独創的なものであったことがわかる。また、それぞれのアプローチの中から新しい分野の数学へと広がったものもあるらしい。
確かに、コンピューターが証明に関与しているし重要な役割を担ってはいるが、コンピューターだけの仕事ではない。
その誤解が解けただけでも得した感じ。
大数学者であるミンコフスキーが、自分ならすぐに解けると問題に臨んだが解けず「神は私の尊大な態度にお怒りになられた」とコメントしたというエピソードも面白かった。
登場人物の業績がわかりやすく書かれていること、そして人物像が魅力的にかかれていることが、この本をどんどん読ませてくれる。そしてなにより、この歴史と数学的なアプローチを、判りやすく説明している著者・訳者の力量はすごいと思う。
数学の専門家が書いた本だからだろう、かなり説明は細かい。数学に詳しくない方にとっては、難解なところもあるかも。途中に出てくる「可約」や「不可避」といったキーワードがどんどん重要になっていく。用語集が巻末にあって、用語の意味を載せているのがありがたい。何度これに助けられたことか。
「だれにでも問題を理解はできるけれど、解くにはものすごい労力が必要」という意味では『フェルマーの最終定理』と近いものがある。ただもちろん、フェルマーの最終定理になくて四色問題にあるエピソードもある。
その最たるものは、証明のために人間だけではなくコンピュータ(計算機)も働いたこと。これが、証明がなされた後も物議をかもすことになった。計算機が万一故障でもしていたら、その証明の確証性は大幅に減じられる。本来、数学の証明とはいったん認められたら永遠の真実とみなされるぐらいにピュアなものだ。いっぽうコンピュータへの信頼によりけりの証明が、いかにノイズのかかったものとなるか。この話が出てくるのはわずか最後の1章分だけだが、本全体のウェイトの半分を占めるくらいに重いテーマだった。
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