街の園芸店やホームセンターで入手した草花苗を庭植えしていて、いろいろカラフルに咲いてくれるものの、なじみの薄い草花(外国自生種起源の園芸種)だったり、ダラダラ長く咲く(そのように改良されている)ため季節感に乏しいなと感じた方、雨の日に似合わない、家屋や庭木にあっていないなと感じた方また、野山で咲き乱れている花々の風情に魅せられた方に本書をお薦めします。本書ではロックガーデンも紹介されていますが、植栽できる種類と趣きが増すかもしれないが、必須ではありません。ベッド(植栽床、用土の入れ替え)の話もでてくるが、これも場所によってはかえって成績が悪化することもありえます。要するにポット苗以外何ら出費せずそのまんまで植えはじめてかまわない(成績が悪ければ考える)ということです。むしろその種類にあった場所に植えつけることが重要です。本書は日当たりを好む、湿地生、半日陰の3つに別けて、日本自生の山野草83を紹介しています。ほとんど全部宿根草で、植えっぱなしでかまわないものです。育てやすいとうたっていますが、特に関東以南の表日本側低地では露地植えがまず無理なものも混じっています。まず、高山性のもの(コマクサ、ヒメシャクナゲ)はオミットすることです。北地、多雪地をホームグランドにするもの(クロユリ、シラネアオイ、エンレイソウ)も避けたほうがいい。これらは猛暑日には耐えきれず、たとえ咲いたとしても本来の草姿・花色は望めません。また、ラン科のもので容易に栽培できるものも限られています(クマガイソウ、スズムシソウ、ウチョウランは難しい)。それでも掲載種以外にも手間のかからない山野草はたくさんあるので、うまくいけば切花用にもできるほど殖えてくれます。