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四十一番の少年 (文春文庫)
 
 

四十一番の少年 (文春文庫) [文庫]

井上 ひさし
5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

母と別れ東北の孤児院ナザレトホームで送らねばならなかった少年の日々…。四十一番の洗濯札に秘められた夏の日の悲しい出来事の表題作など一連の自伝的作品集
--このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

内容(「BOOK」データベースより)

児童養護施設に入所した中学生の利雄を待っていたのは、同部屋の昌吉の鋭い目だった―辛い境遇から這い上がろうと焦る昌吉が恐ろしい事件を招く表題作ほか、養護施設で暮らす少年の切ない夢と残酷な現実が胸に迫る珠玉の三編。著者の実体験に材をとった、名作の凄みを湛える自伝的小説。

登録情報

  • 文庫: 215ページ
  • 出版社: 文藝春秋; 新装版 (2010/12/3)
  • ISBN-10: 4167111292
  • ISBN-13: 978-4167111298
  • 発売日: 2010/12/3
  • 商品の寸法: 15.2 x 10.6 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 216,699位 (本のベストセラーを見る)
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7 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By tochibo
形式:文庫
この作品を初めて手に取ったのは中学1年の夏休みだったと記憶しています。その切ないストーリーに,胸が締め付けられたのを鮮明に覚えています。
現在,齢50を前にした立派なオヤジとなりましたが,三十数年が経ち,カバーのデザインも当時のままのこの本を書店で見かけました。先般なくなられた作者をしのびつつまたページをめくってみました。
鮮烈です。少年時代の夏の日にタイムスリップしました。
貧困・いじめ・家庭不和・少年犯罪といった暗いテーマの短編集ですが,その底流に流れるのは,子どもたちの無垢な心を通じて描かれる,生きる悲しさ・切なさです。
この本は作者の自伝的作品と言われています。きっと作者自身,生涯心に深い傷と闇を抱えていたのかもしれません。
このレビューは参考になりましたか?
16 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
 井上ひさしは、言葉や表現の選択に非常に慎重な姿勢で臨んでいる。そのため、氏は様々な分野で活躍しているが、そのどれもがとても洗練された文章で、かつ五感の全てに訴えるような書き方になっているので非常に読みやすい。井上ひさしの作品というと、どうしても戯曲や放送作品・対談などを思い浮かべてしまうのだが、小説にもすばらしいものが沢山ある。特に、この本に収められた短編「あくる朝の蝉」は以前中学校の教科書にも採用されていた名文で、一見すると単純な作品だが読み深めていくととても興味深い。

 この本の解説にも書いてあることだが、ここに収められた3つの作品は自身の体験を元にして書かれているといわれている。そして、他のユーモアたっぷりの作品からは考えられないほど重い主題をはらんだ作品である。「あくる朝の蝉」のなかで、僕と弟が孤児院流の生活を通そうとして祖母に窘められるという部分があるが、一見するとコミカルで面白いこの場面も、「孤児院」から抜け出せないという現実を見せ付けられていることに他ならない。結局、その後2人は孤児院へ戻っていくのである。
 ここに収められた小説の中では、ユーモアの中に底知れない闇が潜んでいる。結末を予想させるような伏線も張られている。そうして様々な形で見え隠れする「闇」こそが、この本の最大の魅力となっているのである。

このレビューは参考になりましたか?
13 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本|Amazonが確認した購入
解説にあるように、日本を代表する喜劇作家井上ひさし氏の自伝的小説である。喜劇と悲劇は、紙一重というか、氏の喜劇の原点は、悲劇を可虐的に喜劇に転じている。
私は、氏の出身中学で教育実習をさせていただいた。この小説の舞台でもある。主人公が、駅から孤児院へ向かう「四十一番の少年」の冒頭の坂道の描写のスケッチのリアルさに身の震える思いをした。
あくまでもフィクションであるが、ニュースを見ているようなリアルさがある。暗い、悲しい作品で、読み終わった夜には、心が絞られるような悲しさでよく寝つけなかった。氏の才能は、貧困、孤独など、本来喜劇の材料になりうる素材をおかしさに転ずることができる才能であると思う。
若き日の、氏のあまりにもストレートは表現に驚いてしまう。後に超有名な作家になる氏の、原点をみるような作品である。
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