セネタースの4番打者 新海清が、三塁への走塁中、心臓発作で倒れた。4万人に観客の中の一人、検事の高山は、彼の死に事件性を察知し、捜査を開始するのだった ・・・
昭和33年度の日本推理作家協会賞受賞作品。が、現代から見るとありえない というか荒唐無稽すぎる。検事が直感で、殺人事件と認定するのは、まだ良いとして、確たる事件性を立証できないまま、新海を解剖にまわしたり、刑事に捜査の指示をしたりする。犯人の特定の仕方も良く分からないし、捜査の対象を絞り込む思考回路も疑問符をつけざるをえない。おまけに、途中で発生する高山検事への脅迫や狙撃事件の犯人については、事件解決後に「そんなことはもうどうでもいい」といってしま白々しさ。
作者が野球小説として世に出したようなので、この賞に選ぶ方に問題があるとしかいえない(野球の描写はいいんだよなぁ)。映画化されているので、当時は評判良かったのかもしれないが、ある程度リアルを求める現代では受け入れらないと思う。
作者の父君が中央競馬会の理事長で、有馬記念にその名を残す有馬藩当主 と解説にあったのだが、ここが一番面白かった。