ヒュー・グラントのために書かれたという脚本は、浮気者なのに憎めないキャラが十八番の彼にピッタリ。
犬猿の仲の男女がまったく違う環境で互いを見つめあい和解する物語は、ラブコメとして鉄板の展開。ただそこに証人保護プログラムが加わるのが、目新しいというところ。証人保護プログラムとは事件解決の鍵を握る人物を、名前や経歴を変えて保護する制度で、本来はシリアスなものだが、本作の場合はあくまでライト感覚。二人には、犯人から狙われる危険より熊と遭遇した恐怖の方がよほど切実だ。(笑)
ド田舎のワイオミングで、浮きまくる都会人というカルチャーギャップでたっぷりと笑わせ、自然と共存する素朴な生活の素晴らしさを謳いあげる。ラブコメとして無難な一作でした。
グラントもパーカーも、ロンドンやニューヨーククラスの大都会でなければ一瞬も生きていけそうにないタイプだから、彼らをワイオミングという舞台装置に放りこむことは、それ自体がギャグだ。
保安官夫妻を演じたサム・エリオットとメアリー・スティーンバージェンも、達者な演技で、ひ弱な都会者との対比を渋く演じてます。
互いへの信頼を取り戻しかけた夫妻が、満天の星の下で結婚式の誓いを思い返すシーンは本作の白眉。シェークスピアを引用したメリルの誓いも、ジョーク満載のポールの誓いも共に素晴らしい一文で、観る者の胸にはジンワリと温かいものが去来する。
結局、夫婦とは、間違いを正直に認め許しあって、互いの欠点を補っていく関係なのかもしれない。(なんちゃって) それにしてもヒュー・グラントは、何だか年を取った感じがする。そろそろ『ラブコメ・キング』の称号は返上したほうがイイかも。とはいうものの、『ラブコメ・クイーン』返上に失敗して、最近顔をみかけないメグ・ライアンのようにならなきゃいいけど。(苦笑)