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嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (角川文庫)
 
 

嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (角川文庫) [文庫]

米原 万里
5つ星のうち 4.9  レビューをすべて見る (72件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

商品の説明

第33回(2002年) 大宅壮一ノンフィクション賞受賞

出版社/著者からの内容紹介

1960年プラハ。マリ(著者)はソビエト学校で個性的な友達と先生に囲まれ刺激的な毎日を過ごしていた。30年後、東欧の激動で音信の途絶えた3人の親友を捜し当てたマリは、少女時代には知り得なかった真実に出会う!

登録情報

  • 文庫: 301ページ
  • 出版社: 角川書店 (2004/06)
  • ISBN-10: 4043756011
  • ISBN-13: 978-4043756018
  • 発売日: 2004/06
  • 商品の寸法: 15 x 11 x 1.5 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.9  レビューをすべて見る (72件のカスタマーレビュー)
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69 人中、67人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 その存在自体が奇跡のような傑作。, 2006/9/28
By 
TaroTaro - レビューをすべて見る
(トップ500レビュアー)   
レビュー対象商品: 嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (角川文庫) (文庫)
著者が9歳から14歳(1960年から64年まで)のときに通ったプラハのソビエト学校時代に仲の良かった3人の友達、ギリシャ人のリッツァ、ルーマニア人のアーニャ、ユーゴスラビア人のヤスミンカ。出身は異なるが、著者も含めて皆、共産主義者の親を持ち様々な理由でプラハに集まった個性豊かな少女達である。

この作品は、著者のソビエト学校時代の彼女達との思い出と、それから30年以上経ってから彼女達を訪ね歩き、再会を果たしたときの出来事を綴ったエッセイであるが、単なるエッセイではない。幼い頃から共産主義が身近にあり、瑞々しい感性を大人になっても持ち続けたに違いない著者でなければ描くことができない、東欧庶民の生きた現代史である。

彼女達と何とか再会を果たすことにより、著者がソビエト学校当時にその理由が理解できなかった出来事の謎も解けるのだが、著者のユーモアのある文章をもってしても30年以上経って明かされた真実は非常に重苦しい。そして、著者がプラハを離れてからの彼女達の人生も厳しいものであったことがわかる。

更に、彼女達と話をするうちに、共産主義に振り回されそして激動の時代を生き抜いてきたことにより変わってしまった彼女達に共感できずにいる自分に戸惑い、苦い思いを残すなど、決してハッピーエンドではない。

他にも幼い頃にこういう経験をした日本人はいるのだろうが、感性、文才、ロシア語通訳としての経験、その全てが揃った著者のような人物がいなければ世に出ることのなかった奇跡のような作品だと思う。
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27 人中、24人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 まさしくお薦め!, 2004/8/23
レビュー対象商品: 嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (角川文庫) (文庫)
さすがは米原万里と感心しました。軽妙な語り口の中で見せる米原さんの洗練された知性と洞察の深さに改めて敬服しました。

 私もかつてロシア語を当時のソ連から招聘教授として来日されたロシア人から習いました。既に高齢でご存命かどうかすら分かりません。ソ連崩壊後、一度だけ手紙を書いたことがありますが、返信はありませんでした。著者のようにソ連崩壊後、果たして彼女は元気で居るだろうか、一度彼女の住む街を訪ねてみたいと何度か思いながらも果たせないでいる自分が恥ずかしい。どうか穏やかな老後を送っていてくれたらと願いつつ。私はそれなりに分別もある大学生でしたが、米原さんの原点は中学時代。国境も民族も越えた少女達の素直な心の交流が、30数年後、国家に翻弄されながらも命がけで生き抜いてきた逞しさと共に再び米原さんに、私たちに様々な問いかけをもたらします。中年のオバサン同士の四方山話形式でありながら、その内容は実に重く、その言葉を何度も反芻せずにはいられませんでした。

 中心はわずか3人の旧友ですが、それぞれの両親の時代にも話しが及び、親兄弟のその後までもが加わることで話に奥行きが増し興味が尽きません。イデオロギーにどれほどの価値があったのか、国ってなんのか、民族って何?!いかに人間が傲慢か、だのに人間はかくもいたわり合い優しいのか。嘘つきアーニャの自分で自分を裏切る真っ赤な真実は我々に対する図星だけにやるせない。
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5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 大切な一冊になった, 2011/10/5
レビュー対象商品: 嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (角川文庫) (文庫)
ここまで徹底的に星5と4をつけている著作はないのではないでしょうか。
エッセイというジャンルを飛び越えて、今まで読んだ本の中で、私は、1番好きです。

正直レビュー書くのもびくびくというか、どうかけばいいのやら。
他の方のレビューにも納得しきりです。
あのような特殊な少女時代を過ごし、且つ彼女が聡明すぎるほど聡明だったからこそこの作品になりえたのでは。

大人になってプラハ学校時代の友人を探しに訪欧する著者ですが、常に少女時代当時の情景やニュアンスが付いてきて、
彼女の中ではまさに少女時代がずっと生き続けていたんだろうなと思わされました。
自伝的エッセイって懐古的というかおセンチになりがちなのに全然おセンチではないのです。
活き活きしている。今ここにありそうです。60年代の情景、私はまだ生まれていないのに自分が追体験しているような気分。
少女時代に彼女が感じた友人への違和感や彼女なりの分析、どこをとっても、すばらしいの一言!
文章のテンポの小気味よさ、サッパリしつつも奥行きの深い言葉。本当に早く亡くなられたのが残念でたまらない。

そして知らぬうちに冷戦時代にまつわる現地の小さな風を感じることとなり、生きたミクロ?現代史としての価値もあります。
高校時代にこういう本を読んでいたら、社会科への取り組み方も変わったでしょうし世界観も変わっていたと思います。
周りの若者に勧めてほしい一冊です。
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