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65 人中、63人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
その存在自体が奇跡のような傑作。,
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レビュー対象商品: 嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (角川文庫) (文庫)
著者が9歳から14歳(1960年から64年まで)のときに通ったプラハのソビエト学校時代に仲の良かった3人の友達、ギリシャ人のリッツァ、ルーマニア人のアーニャ、ユーゴスラビア人のヤスミンカ。出身は異なるが、著者も含めて皆、共産主義者の親を持ち様々な理由でプラハに集まった個性豊かな少女達である。この作品は、著者のソビエト学校時代の彼女達との思い出と、それから30年以上経ってから彼女達を訪ね歩き、再会を果たしたときの出来事を綴ったエッセイであるが、単なるエッセイではない。幼い頃から共産主義が身近にあり、瑞々しい感性を大人になっても持ち続けたに違いない著者でなければ描くことができない、東欧庶民の生きた現代史である。 彼女達と何とか再会を果たすことにより、著者がソビエト学校当時にその理由が理解できなかった出来事の謎も解けるのだが、著者のユーモアのある文章をもってしても30年以上経って明かされた真実は非常に重苦しい。そして、著者がプラハを離れてからの彼女達の人生も厳しいものであったことがわかる。 更に、彼女達と話をするうちに、共産主義に振り回されそして激動の時代を生き抜いてきたことにより変わってしまった彼女達に共感できずにいる自分に戸惑い、苦い思いを残すなど、決してハッピーエンドではない。 他にも幼い頃にこういう経験をした日本人はいるのだろうが、感性、文才、ロシア語通訳としての経験、その全てが揃った著者のような人物がいなければ世に出ることのなかった奇跡のような作品だと思う。
36 人中、31人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
著者、最高傑作,
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レビュー対象商品: 嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (角川文庫) (文庫)
わたくし、米原さんの著作をほとんど読んでおりますが、著者の死後(そんな日がなるだけ遠くなるのを願いますが) 必ずや3本の指にはいるであろう傑作だと思います。 米原本の魅力は、ご自身の体験を知的にもシモネタ的にも 実におもしろい本でした。 あと、「ヒトのオスは飼わないの?」(文春文庫)もオススメ。
24 人中、21人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
まさしくお薦め!,
By m_2ks (青森県) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (角川文庫) (文庫)
さすがは米原万里と感心しました。軽妙な語り口の中で見せる米原さんの洗練された知性と洞察の深さに改めて敬服しました。私もかつてロシア語を当時のソ連から招聘教授として来日されたロシア人から習いました。既に高齢でご存命かどうかすら分かりません。ソ連崩壊後、一度だけ手紙を書いたことがありますが、返信はありませんでした。著者のようにソ連崩壊後、果たして彼女は元気で居るだろうか、一度彼女の住む街を訪ねてみたいと何度か思いながらも果たせないでいる自分が恥ずかしい。どうか穏やかな老後を送っていてくれたらと願いつつ。私はそれなりに分別もある大学生でしたが、米原さんの原点は中学時代。国境も民族も越えた少女達の素直な心の交流が、30数年後、国家に翻弄されながらも命がけで生き抜いてきた逞しさと共に再び米原さんに、私たちに様々な問いかけをもたらします。中年のオバサン同士の四方山話形式でありながら、その内容は実に重く、その言葉を何度も反芻せずにはいられませんでした。 中心はわずか3人の旧友ですが、それぞれの両親の時代にも話しが及び、親兄弟のその後までもが加わることで話に奥行きが増し興味が尽きません。イデオロギーにどれほどの価値があったのか、国ってなんのか、民族って何?!いかに人間が傲慢か、だのに人間はかくもいたわり合い優しいのか。嘘つきアーニャの自分で自分を裏切る真っ赤な真実は我々に対する図星だけにやるせない。
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