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もちろん、文化論としてはそういう切り口もありうると思うし、極めて斬新とまでは言いにくいにしろ、そこそこ面白いとは思います。ただ、思想というものが言説空間だけに規定されるものではない以上、そこから何か思想的展望を得ようとしても限界があるはずなのに、無理にそれをやろうとしているために、論理が逆転している箇所が少なからずあるように思いました。
これは、例えて言えば、「冷戦時代の米ソは、思想的には対立していたが、軍隊の装備自体はよく似ていた」と言うようなもので、必ずしも間違いではないけれど、だからと言って、軍事力だけを分析しても冷戦が解決できるわけではないはずです。もちろん、「最初は思想のために戦争をしていたのが、だんだん人を殺すこと自体が快感になって、相手は誰でもよくなった」みたいなところが、ネット右翼にまったくないとは言わないけど、それですべてが説明できるとはあまり思えません。
そんなわけで、思想オタク的な言説空間に囚われてしまっているのは、むしろ著者自身ではないのか、と感じてしまいました。
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