疋田と共著の前作では、疋田の文章が前面に出ていたので、ドロンジョーヌの文章はどうなのかなと思ったが、なかなか、どうして、とても良い出来のエッセイだった。自転車エッセイは文章の素人が書いたもの、しかも編集があまり良くないものが多い。自転車乗りのオッサンは総じてアクの強い人(疋田、エンゾ、高千穂、白鳥など)が多くて、読み物としては楽しめないというか、読んでいて疲れるものが多い。文筆業が書いた自転車エッセイには「東京自転車日記」「吉田自転車」などがあるが、エッセイとしての出来は良くても、自転車については素人だ。本格的ロードバイク乗りが書いた質の良いエッセイというのは、今のところ「嗚呼愛しき〜」ただ一冊だけではないだろうか。