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喪失 (小学館文庫)
 
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喪失 (小学館文庫) [文庫]

カーリン アルヴテーゲン , 柳沢 由実子
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社 / 著者からの内容紹介

息もつかせぬサスペンス!北欧犯罪小説大賞受賞作!!
ストックホルムの32歳の女性ホームレスが、ある日突然、連続猟奇殺人犯として警察に追われることになる。食べ物と寝場所を求め格闘しながら、極限状態に身も心もすり減らし、たった一人で真相に迫っていく……。地方都市の富豪の一人娘がなぜホームレスになったのか? 深い心の傷を負い、絶望と背中合わせに生きる主人公が、逃避の人生を清算し新しい生き方を獲得する過程は大きな感動を呼ぶ。2000年北欧犯罪小説大賞受賞作。

内容(「BOOK」データベースより)

一八歳で裕福な家を捨てて、ストックホルムでホームレス同様の暮らしを続けてきた三二歳の女性シビラ。ある晩中年男性に食事とホテルの客室を奢らせることに成功するが、翌朝になって愕然とする。その男性の死体が発見されたのだ。殺害方法は猟奇的で、シビラは有力な容疑者として警察に追われる。さらに同様の殺人事件が続き、すべてが彼女の犯行とみなされる…。食べ物も寝場所もない極限状態からたった一人で真相に挑んでいく。二〇〇〇年ベスト北欧推理小説賞受賞。世界二〇カ国で翻訳されている。

登録情報

  • 文庫: 395ページ
  • 出版社: 小学館 (2004/12)
  • ISBN-10: 4094054618
  • ISBN-13: 978-4094054613
  • 発売日: 2004/12
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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7 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 じっくり読ませる小品, 2005/3/3
By 
casanegra - レビューをすべて見る
(VINEメンバー)   
レビュー対象商品: 喪失 (小学館文庫) (文庫)
スウェーデンを舞台にしたミステリーです。他のこの手のものと違うのは
主人公がホームレスという点です。この本をついつ手に取ったのは、
当方が1日とは言え海外で野宿したためです。

実際、そのホームレス生活の描写は生々しいのですが、現在と過去を1章
毎に交互に織り交ぜて人生の転落をじっくりと描く手法が実に読ませると
ころでしょう。派手なシーンがたくさん用意されているわけではありませ
ん。しかし、ちゃんと楽しめる作品になっています。

尚、作者の大叔母は「長靴下のピッピ」の作者アストレッド・
リンドグレンとの事です。

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3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 読みやすい文体, 2005/4/2
レビュー対象商品: 喪失 (小学館文庫) (文庫)
32歳の富豪の令嬢がホームレスになった経緯と連続して起こる猟奇殺人の犯人捜しの
サスペンス。

主人公はホームレスで生きている現状により、32歳であっても40代に見えるほど老け、
不衛生な生活から臭いがしたり、酔っ払ったりと、
やや投げやりで、皮肉っぽい性格の持ち主。
あまり知的な感じを受けませんが、パトリック少年に思いやりをもっていたり、
自分の家を持つという希望を抱いている健気なところもある。
ホームレスで身につけた渡世術と人生の悲哀のある女性です。

容疑者の段階で、でかでかと新聞に写真が載り、その後の連続殺人の犯人に仕立てられることが
スウェーデンではあるのか、また、殺人が起こった6日目に、その未亡人が殺人のあった家を売りに出し、
不動産物件として一般の人が立ち入ることができるのか疑問でしたが、ぐんぐんと犯人捜しに向かって展開するので、
気持ちは離れません。

己の神を築きあげてしまった犯人と、神に見放されたような人生を送ってきた主人公。
そのコントラストが映える作品です。

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11 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 ヒロインの個性だけで勝負をつけた北欧ミステリ, 2005/5/23
レビュー対象商品: 喪失 (小学館文庫) (文庫)
 スウェーデン作家による珍しい北欧ミステリ。北欧と言えば、思い浮かべるのはどうしたって、シューヴァル&バールー夫妻によるマルティン・ベックのシリーズ。それにしては、世界を席巻したあれほどのミステリを擁しながら、北欧作品というのは、その後ほとんど目にする機会さえなかった。

 マルティン・ベックは1965年から1975年への10年間の作品だから、現代の北欧ミステリに、それらの魂がどのように受け継がれているのかという点では、実に興味深いところだ。本書は、その回答の一つを明確に指し示すものとして、われわれに珍しい機会を与えてくれる一冊である。

 何しろ本書は2000年のベスト北欧推理小説賞を受賞、世界20ヶ国で翻訳されているという、逸物なのだ。

 映画の小道具係から脚本家を経て、突如彗星の如く現われた女性作家カーリンは、ストックホルムを放浪する女性ホームレスというヒロインを作り出す。主人公は、もとは地方の資産家の娘だが、家柄をめぐる母親との確執の末、18歳にして、自由を手にするためホームレスとなる。

 家を捨て、名前を捨てた彼女が、その社会的阻害性ゆえに、サイコパスに利用され、四面楚歌となってゆく過程には、ひとりの女性としての戦いのプレリュードといった趣がある。迷える彼女に、またもさらなる自由を求めさせる助言者となるのが、逃走中に知り合った、孤独な少年である。このあたりは、なんとなく映画『殺しのドレス』のナンシー・アレンとキース・ゴードンの犯人追跡コンビを思わせる。

 異常で凄惨なやり方で損壊される被害者の死体に、どのような謎が隠されているのか、というポイントに関しても、本作品は白眉であり、ぼくはM・コナリー『わが心臓の痛み』のプロットのよさを、思い出したほどだ。

 ホームレスゆえの自由への誇り。ホームレスゆえのとめどない不安。衝撃のラストシーンは、お約束のようにきちんと恐怖の時間帯をもたらしてくれる。

 よく練られ、こなれた感のあるスリラーの傑作であるとともに、一方では、自立した大人の女性小説としての味わいも深く、バランスのよさを感じさせる。

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