登録情報
|
|
あなたの意見や感想を教えてください:
|
||||||||||||||||||||||
|
最も参考になったカスタマーレビュー
3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
面白いけど少々手こずりました,
By 某 "バカ" (さいたま市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 喪失の響き (ハヤカワepiブック・プラネット) (単行本(ソフトカバー))
文章は軽めで明晰、話も最後まで飽きさせず、各登場人物も活き活きしていて読んでる間はかなり楽しめました。ただ、登場人物の数が多く、話も時間や場所が錯綜し、些か理解するのに時間がかかったのも事実で、これはひとえに話の中軸をなしていると思われる、ネパール系インド人の混乱した歴史の暗喩の為ではないかと推測します。訳者あとがきに少し触れられているネパール系インド人の困難と苦難の歴史を登場人物の営みと歴史の流れに託して小説に浮かび上がらせるという作法を用い、その意味ではうまく成功していると個人的には思いますがどうでしょうか。タイトルの「喪失の響き」とは、ネパール系インド人の人の失われたアイデンティティと歴史を各登場人物を通して訴えている、という風に考えていいように憶測します。著者はやはりインド系だそうで、自国の内情を世界に喚起したいという願いが込められてるのと、比較的に弱い立場にいる人の代弁を独善的にならないような感じでしたかったようにも読めました。完成まで7年かかっただけあるシンプルな大作だと思いました。まだ若いだけに今後に期待したいです。
2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
迷宮としての喪失と方法を超えた経験の真実!,
By August Party (川崎市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 喪失の響き (ハヤカワepiブック・プラネット) (単行本(ソフトカバー))
先日出かけたバンガロールでMGロードの老舗の本屋を覗いたら、“インディアン・ライター”というコーナーがあり、しばらく眺めていた。帰ってきてあらためてどんな作家が当地で読まれているのか、つまりまとまった品揃えがあったのか思い返してみると、クシュワント・シン、アミタヴ・ゴーシュ、アルンダティ・ロイそれにキラン・デサイだった。そんなことを考えていたら、急にキラン・デサイの本が読みたくなってきた。 この小説(2006年原著刊)は、非常に面白くずんずん頁が進む。カンチェンジュンガの五峰を望む舞台も魅力的だし判事の回想もいい(判事の父親は、息子が英国に行って人が変わってしまったと後悔する)。しかし、僕などは、料理人の息子ビジュウが面白いと思う。アメリカに渡りその最底辺である種滑稽な辛酸をなめる話に、笑い、泣いてしまった。判事の孫で主役のサイが恋人のギアンのスラムの家を訪ねるところはさらにすごい。サイは、スラムの名状しがたい貧困に打ちのめされる。そしてギアンによる愛の拒絶の理由を測りながら自らの愛がどこから来たのか確かめようとする。他方、ギアンの欺瞞(グルカ人のためのグルカ国家を!)へのサイの批判は鋭い。この小説は、多くの人々への取材を通して書かれたそうだが、この場面には、著者が実際に経験した葛藤(著名な作家の娘である特権と、故国から引き裂かれいること)、取材という方法を超える経験の真実が姿を現しているのだと思う。 最後に余計のことを一言。原著のカバーに印刷されている著者の美しく憂いをたたえた近影が、翻訳本では省かれているのが何とも残念だ。
あなたの意見や感想を教えてください: 自分のレビューを作成する
|
|
|
この商品のクチコミ一覧
クチコミを検索
|
関連するクチコミ一覧
|
|