内容紹介
「多かれ少なかれ、わたしたちはみな、トラウマに囚われた人間なのです。他人と共約不能な時間の流れを幾重にも自分のなかに抱え込みながら、生きていかなければならないのです。」(プロローグ「どこにもいないあなたへ」より)
過去や人とのつながりが断たれる経験、喪失。不安や隔たりがもたらす懐かしさ、ノスタルジア。個々人を起点にして歴史や宗教を考えるということは、たがいに共有できない孤独を抱え込んでいるいるからこそ、たがいの闇の深さを見つめ合う“あなた”へ、語りかけることにほかならない。
「国民や民族という大文字の歴史でもなく、抑圧されたマイノリティの歴史でもなく、わたしが日本人であれ、沖縄人であれ在日朝鮮人であれ、知識人であれ庶民であれ、そのような立場や状況にかかわりなく、誰しもが体験している歴史的感覚ともいえるような日常的で一般的なかかわりの場から、個々人にとっての切実な問題として歴史を捉えてみたいのです。」(同前)
柳田国男の祖霊信仰。石母田正の民族論。靖国神社の慰霊と招魂。天皇制・国体・国家神道の“法外”な絡み合い。明治中期から昭和初期にかけてのマルクス主義と“内面”。アメリカ合衆国における日本研究。どこにも帰属しえない“居心地の悪さ”こそが、他者と、死者と、共同性と、異文化とつながる唯一の絆となりうる。近代日本という歴史経験の根源をさぐる。
内容(「BOOK」データベースより)
どこにも帰属しえない“居心地の悪さ”こそが、他者と、死者と、共同性と、異文化とつながる唯一の絆となりうる。近代日本という歴史経験の根源をさぐる。