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喜嶋先生の静かな世界 (100周年書き下ろし)
 
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喜嶋先生の静かな世界 (100周年書き下ろし) [単行本]

森 博嗣
5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (24件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 1,680 通常配送無料 詳細
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商品の説明

内容説明

学問の深遠さ、研究の純粋さ、大学の意義を語る自伝的小説

僕は文字を読むことが不得意だったから、小学生のときには、勉強が大嫌いだった。そんなに本が嫌いだったのに、4年生のときだったと思う、僕は区の図書館に1人で入った。その頃、僕は電波というものに興味を持っていたから、それに関する本を探そうと思った。その1冊を読むことで得られた経験が、たぶん僕の人生を決めただろう。意味のわからないものに直面したとき、それを意味のわかるものに変えていくプロセス、それはとても楽しかった。考えて考えて考え抜けば、意味の通る解釈がやがて僕に訪れる。そういう体験だった。小さかった僕は、それを神様のご褒美だと考えた。
講談社創業100周年記念出版

この小説を読むと
●考えてもわからなかったことが突然わかるようになります。
●探してもみつからなかったものがみつかるかもしれません。
●他人と考えが違うことや他人の目が気にならなくなります。
●自分のペースや自分の時間を大切にできるようになります。
●落ち着いた静かな気持ちで毎日を送れるようになります。
●なにか夢中になれるものをみつけたくなります。
●スポーツが得意になるかもしれません。
●学生の方は進路が変わってしまう可能性があります。
●年齢性別関係なくとにかく今すぐなにか学びたくなります。

内容(「BOOK」データベースより)

学問の深遠さ、研究の純粋さ、大学の意義を語る自伝的小説。

登録情報

  • 単行本: 346ページ
  • 出版社: 講談社 (2010/10/26)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4062166364
  • ISBN-13: 978-4062166362
  • 発売日: 2010/10/26
  • 商品の寸法: 19.2 x 13.4 x 2.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (24件のカスタマーレビュー)
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14 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
この著者の本は今作が初。

パラパラとめくって主人公ののんびりとした日常が進んで行く内に
気づけばその世界に没頭していた。
研究の幸せな面、残酷な面、そしてなにより喜嶋先生の人柄に生き方貫き方。。。
非常に没入できて読み終えてからも「この作品に出会えて良かった」と希有な余韻に浸れた一冊。

これから著作を読み進めて行こうと思うが
果たして一冊目にこの作品を読んでしまったことが吉と出るか凶とでるか。。。
このレビューは参考になりましたか?
20 人中、18人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By uh312
形式:単行本
この数年で読んだ小説の中で最高の評価を与えたい。
はるか昔の狂おしいまでの個人的な経験・記憶がそのまま小説になって現れた感じがした。
読んでいる途中でそれに気付きながら、最後まで一気に読んだ。
読むのに時間をかけていられないほどの切ない感情がどんどん胸の奥底から湧きあがって止まらなかった。

文字を追いながら表紙を伏せ、数秒深呼吸してはまた本文に戻るという作業を何十回も繰り返した。
胸の奥深くに残っていた昔の記憶が強烈にえぐられていくのがはっきりとわかった。

結論から言うと本書の結末は、やや意外な展開と余韻で終わる。
理系大学の学部・院という、社会から見れば特殊な異空間にも人生ドラマは存在する。
学内や海外の学界での評価基準は一様ではないのに、いちいち一喜一憂せざるをえない不安な道だ。
その体験を回避しつつ留学などで要領よく生きていった先輩たちへの羨望もあった。
しかしその苦しい生活自体が今思えば幸福だったし、実際に日常の小さな喜びもあった。
それでもそんな小さく複雑な時間ですら当時の自分には抱えきれていなかった。
時間が過ぎて場所も変わった今でもなお、自分はそんな迷いを続けているのかもしれない。

時代の変遷は怖い。過去に気付かなかった幸福を今の自分なら感知できたりする。
そして当時感じていた幸福が残酷な結末を招く例も、今日の自分はいくつも見聞きしてしまっていたりもする。
自分の幸福・不幸センサーが今も昔も精度が悪い事実を再確認しろと、この本は私に迫ってきた。

そんな感覚が混然一体となり、過去とは違う新鮮なほろ苦さが読後の頭に重く残った。
読了してからしばらくたった今ですら、レビューをここに書くための適切な言葉を思いつけないでいる。

私にはこれを森博嗣が書いたことが衝撃だった。
たしかに本書は作者の人生を通り過ぎた死屍累々の理系人への鎮魂歌なのかもしれない。
スプートニクの落とし子たち ←この本の著者が書いたのなら理解できたのだが。

やはり森博嗣はあの世界で生きる人たちの心のかすり傷や、そこにある闇の深さを分かっているのだ。
不十分なレビューで申し訳ないが私は数年してから再読すると決めた。
しばらくはこの本に接するのがつらすぎて、本棚の裏に隠して置いてもきっと数年は手を出せないだろう。

なお、私が一番感情移入した登場人物は主人公だった(喜嶋先生を含む周囲の人たちではない)。
私の周囲にも似た人々が多すぎたのか、場面をリアルに想像しすぎて記憶の走馬灯が脳内を止まらなくなってしまう。
小説は若い頃に読めとはよく言ったものだが、こういう意味も含まれていたのだろうか。

どうやら私はこんなに年月がたったのに、自分の学生時代を総括できていないらしい。
そんなことだけはこの本ではっきりと思い知らされた。
文学的評価はわからないが、小説が読者(私個人)に及ぼす力としては文句なしの出来だった。
ただし、理系大学を経験していない他の読者にとって、この本の評価は未知数であることも申し添えたい。
このレビューは参考になりましたか?
52 人中、45人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
小説の可能性 2010/10/27
形式:単行本
今までの圧倒的な作品群の末にたどり着いたひとつの到達点が今作だろうか。
これはミステリでもなければ、私小説、エッセイでもない。
自伝的という曖昧な言葉が帯に記載されているが、著者とおぼしき主人公の苗字は「橋場」であるし、
喜嶋先生にいたっては、まったくのフィクションであることも考えられる。
はっきりいえばジャンル分け不能な作品である。
そしてその一点においてのみ小説の可能性は宿る。
プルーストやカフカの小説は自伝的であって自伝ではない。

内容に関しては学問や研究の素晴らしさが主題ではない。
あくまで主に語られることは、乱暴な言葉でいえば登場人物達の「俗っぽい」生活である。
そして過ぎ去ってしまった「幸福な時間」の郷愁、それを続けた先に待つ残酷な未来であろうか。
それは映画やドラマ、メディアにあらわれる研究者とは対照的なものであることはいうまでもない。

静かな世界とはすなわち幸福な生活である。
私はこの作品を呼んで川端康成の「一芸に執して、現実の多くを失った」という言葉を思い浮かべた。
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背表紙・表紙がとてもシンプルで、一目見た瞬間惹かれ、手に取りました。

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