実は歌麿の良さがわかったのはつい最近です。
北斎のほうがカッコいいし、英泉や国芳のほうが刺激的で退廃的だし
春信のほうが可憐でわかりやすい。
歌麿って名前はよく聞くけど作品は「なんだか地味だな」と今まで
歌麿の作品を観る機会があるたび感じてました。
でも地味じゃなくてシック、なんですよね。
浮世絵って基本的に「これみよがし」って表現やディフォルメの過剰なところが
ありますが歌麿の場合、人物の表情や丸みを帯びた線、渋い配色が緩やかな
官能性を表現しているので他の絵師たちの作品には無い「落ち着き」というか
大人の雰囲気があります。
「遠い目をしてほほ笑み、けだるく、ちょっとルーズで、哀しい。」
なんか大人だな〜って観てて思う(笑)。
この画集、やや小さめでボリューム不足に感じるかもしれませんが歌麿を知りたい方には
良いガイドブックになると思います。春画も何点か掲載されており大首絵を含む歌麿の
代表的な画風も押さえてあります。
絵の解説や巻末の年表も考察がしっかりとしており簡潔で要を得ているので読みやすく
歌麿と当時の浮世絵の世界、風俗が理解出来ます。
巻末の評論と年表以外フルカラーなのもうれしいですね。
お値段も安いし、一家に一冊(笑)、お手元に置いてみてはいかかでしょうか?