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第1話から5話まではこのスタイルで語れるが,最後の6話だけ,この家の主のちぬが語り部となり,親子2人でこの里に暮らす理由が明らかにされる。
「白川郷の合掌造りの家には,20~40人くらいの家族が共に住んでいて,独特の家族制度を形成していた」という民俗学的史実に基づいて著者が発想したのがこの小説だという。この家族制度の仕組みが読んでいておもしろかった。結婚という制度は無く,基本的に通い婚で母親のもとで子どもは育てられる。家の主人(御亭)は長男が,嬶(かか)は長女が引き継ぎ,主人と嬶は婚姻関係ではなく,兄妹となる。母系の家系制度だったようだ。ただし実際の白川郷の合掌造りの家系制度は生き証人がいなく,実際にようだったかはわからないらしい。
3話の「盆嬶(ぼんかか)」の話も,年頃の男女がくじ引きで決められ共に盆の3日間をすごす慣わしが題材。真夏の太陽の下,男女入り混じって半裸で相撲をとったり,男女の交わりがあっけらかんと描かれていてよかった。
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