確かに、著者は拘りの強い人柄で、偏りのある内容です。
社会に出て会社組織などで働いている人にとってはごく普通の処世術も、著者にとっては嫌悪の対象のようで、近くにいたら面倒くさいことこの上ない人物でしょう。
けれど、いまの日本が安易な「優しさ至上主義」に陥っているという本書の問題提起には全面的に賛成します。
厳格でなければならない場面においても、優しさを強要する雰囲気に負けて正しい言動を貫けないという問題が、政治をはじめ、社会の隅々にまで蔓延しています。
すべての人にとって、自分自身の中にいる弱者=善人(偽善者)について省みる良い機会として、一読の価値はあると思います。その意味で星5つにしました。
こういう癖のある人の主張に、すぐに嫌悪感を抱き拒絶してしまう人も多いようですが、それ自体、舌触りのいい優しさに慣れきった「善人」の特徴のように思います。
大体、「偏りのない人」の書いた本なんて、果たして読む意味があるのでしょうか。