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啓蒙の弁証法―哲学的断想 (SELECTION21)
 
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啓蒙の弁証法―哲学的断想 (SELECTION21) [単行本]

マックス・ホルクハイマー , テオドール・W・アドルノ , 徳永 恂
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

啓蒙によって文明を獲得し,野蛮を克服した人類は,しかし,啓蒙によって新しい野蛮状態へと落ちていく.理性の否定と理性によるユートピアの可能性とを交錯させながら近代を考え抜いた20世紀の古典.

内容(「BOOK」データベースより)

啓蒙によって文明を獲得し、野蛮を克服してきたはずの人類は、しかし、啓蒙によって新しい野蛮状態へと落ちこんでいく。この啓蒙の自己崩壊を仮借なく批判できるのは、理性の自己批判能力以外にない。理性の否定と理性によるユートピアとを微妙に交錯させながら近代を考えぬいたこの20世紀の古典は、人類史を貫く文明化の過程に垂直にくさびを打ちこんでいる。

登録情報

  • 単行本: 422ページ
  • 出版社: 岩波書店 (1990/3/28)
  • ISBN-10: 4000040545
  • ISBN-13: 978-4000040549
  • 発売日: 1990/3/28
  • 商品の寸法: 18.8 x 13 x 2.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.9  レビューをすべて見る (12件のカスタマーレビュー)
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5つ星のうち 4.0 達意の名訳。, 2009/6/2
 本書の著者たちを長年、研究している者です。内容に賛否両論あるようですが、まず叙述の仕方のユニークさを楽しんでもらいたい。
 まず、本書の副題にご注目ください。哲学的断章とあります。それは、当初考えられていた体系的で「総体」を論じる思考は、もはや放棄されたことの印といえます。その代わり、様々な角度から歴史、文化、社会の変動を縦横に論じ、またその底流にある西欧の目的合理的主体の、非合理的なものとの共犯関係が指摘されています。そして本来はこの書に続いてこの時代を乗り越える希望について書かれる予定でした。ですから文明史を「負の目的論」として描こうとした、というのは一面的な理解です。また科学技術と論理実証主義とを同一視していたわけでもありません。『アドルノ社会学講義』をお読みになればわかることですが、アドルノは「技術そのものは中立で、悪しき目的にも、良き目的にも応用される」と考えていました。ただ、歴史的制約は否めません。しかし、それはどんな古典にもつきものです。例えば、現代の生命倫理などで強調される、判断力を持つ成人の「自己決定」は、その範疇にぞくさないもの、排除されているものと何の関係もないといえるでしょうか?
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23 人中、18人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 “幻の名著”と呼ばれた一冊, 2004/3/24
レビュー対象商品: 啓蒙の弁証法―哲学的断想 (SELECTION21) (単行本)
フランクフルト学派を代表する二人の共著『啓蒙の弁証法』は、1947年にアムステルダムで出版されたが、以来、69年にドイツで新版が出されるまで絶版となっており、“幻の名著”と呼ばれた一冊です。本書は「啓蒙の概念」と題された巻頭論文と補論(「オデッセウス論」と「サド論」)が主要論文で、それに続く「文化産業」と「反ユダヤ主義」は、先の主要論文の論旨を特殊な局面に適用した論文と言えると思います。共著であるためか、話や時代は飛ぶし、論理が整然としているわけでもないので、文章を追って解読するには不向きな一冊です。その中で「オデッセウス論」(補論I)は、比較的具体性をもった論述となっているので、ここから読み始めるのも良いかもしれません。「神話はすでに啓蒙であり、啓蒙は神話に退化する」というのが本書の基本テーゼであるが、それは冒頭に掲げられた次の様な問いに結びついている。

「何故に人類は、真に人間的な状態に踏み入っていく代わりに、一種の野蛮状態へ落ち込んでいくのか」(『啓蒙の弁証法』“序文”より)

当時の現実に直面した筆者たちの窮境から発せられたこの問いは、二十世紀を振り返るとき避けられない。

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14 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 私たちが学ぶこと, 2004/1/3
レビュー対象商品: 啓蒙の弁証法―哲学的断想 (SELECTION21) (単行本)
 ホルクハイマー、アドルノのアメリカ亡命中の作品。

 本書の著者らは、人間の理性に対する懐疑の時代を実際に体験した。彼らの内に湧き立つ静かな熱気が本書を並一通りでないものにしている。西洋の思想史を、否定的に俯瞰しながら、しかし、彼らの「思想」に対する批判はいまだ、既存の「思想」の領域内であろうと欲する。そこに著者らの思想の独自性が現れる。

 単純な解決は誤っているのみでなく、罪でさえありうる。そういう時代に現実に直面した思想家たちの、矛盾に満ちた感情のほとばしりは、現代の私たちに大きな感動を与える。本書を貫く批判精神は、現代の我々にとっていまだ充分に多くの意義を与えうるが、むしろ頑なに批判的にあろうとした著者らが、なお矛盾に留まろうとするその決意にこそ、我々は多くを学び取るべきなのかもしれない。

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