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啓蒙とは何か 他四篇 (岩波文庫 青625-2)
 
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啓蒙とは何か 他四篇 (岩波文庫 青625-2) [文庫]

カント , 篠田 英雄
5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (9件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

『プロレゴーメナ』を書き終えてから10年の間に発表した彼の歴史哲学に関する小論5編を収める。啓蒙とは何か、人類の進むべき道、人類の起源、世界の終わり、理論としては正しいが実際には役立たぬという批判などの興味あるテーマを、かれの哲学的原理を応用、一般の読者を対象に解りやすく論じたものである。

登録情報

  • 文庫: 222ページ
  • 出版社: 岩波書店; 改版 (1974/6/17)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4003362527
  • ISBN-13: 978-4003362525
  • 発売日: 1974/6/17
  • 商品の寸法: 14.6 x 10.6 x 1 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (9件のカスタマーレビュー)
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ドイツ啓蒙思想の代表的著作。カント哲学を貫徹する「自律」概念を理解する上でもっとも重要な小論文集であろう。

「啓蒙とは何か」において、自律について、そして自由について簡潔に語られている。カントの読む上で重要になってくる概念である。

また「人類の歴史の憶測的起源」も必読のものであると思う。ヨーロッパ文化における信仰(キリスト教)と理性(哲学)との係わり合いを考える上で実に興味深い。カントは「創世記」を手がかりとして、見事に自然、文化、道徳を考察している。

自由、自律、自然、文化、道徳等等。いずれも慣れ親しんだ言葉ではあるが、その実は大変ややこしいものでもあり、今一度吟味する必要があるのではないか。三大批判書を読む前に是非読んでおきたいものである。でなければ、独りよがりな解釈に陥る危険がある。

カントを読まれる向きにはまずこれから。

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17 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
タイトルのとおり。しかし、解説が最低。そもそも、解説者は、『啓蒙とは何か』を真剣に読んだのか? この本のどこに「何でもとりあえずやってみるとよい」などと書いてあるのか? アホか? これは、アメリカの心理学あたりから出てきた考え方であって、断じて、カント自身のものではないはずだ。カントは、自分の頭で考えて、そのうえで行動しろ、と言っている。『啓蒙とは何か』に貫かれているのは、ある種のエリート主義であり、マトモな知識もない人間に自由を認めたりはしていないのだ。最良の解説は、おそらく、当時のドイツの歴史について書かれた本であり、カント自身が自由に言及した諸著作である。
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By イッパツマン トップ500レビュアー
 カントは認識論や理性論の他、道徳論、平和論、法律論など広範なカテゴリーでモノを考えた人である。本書はそういった彼の幅広い守備範囲から代表的な領域における彼自らの説明で構成されており、領域ごとで彼の言っていることの要点を掴んだり比較したりするには、結構便利な一冊だ。

 最近、(新)自由主義の批判的検討に興味がある僕が面白かったのは最後の「理論と実践」である。この論文は道徳論(義務論)、国家主権論(ホッブス批判)、世界共和国論(国際法論)の三部構成からなっており、タイトル通り、哲学と現実的実践の間の乖離を乗り越えるような企図で書かれたものなのだが、特に一部と二部の間の対比が興味深かった。この人の道徳論というのは理屈の源泉に神の最高善を置くという点でかなりキリスト教的で、道徳に対する義務感をア・プリオリな定言的命法としている。(僕はここに彼の素朴な性善説を感じる。)で、この義務感は公共に対する義務に置き換えられるのだが、個々の求める自由がこれと一体になる境地が最高善だとしている。でも、そんな境地には全ての人間がそうそう達せられないというリアリズムも当然あって、二部ではかなりドライに国家主権の個人に対する優位性を語っている。

 「もし国民が、現行の或る立法のもとでは彼等の幸福を失う公算が多分にあると判断するとしたら、彼らはどうすればよいのだろうか、(中略)国民としては、服従するよりほかに何ごともなし得ない」(156p)と語る彼には、国民個人の欲望がアノミー的に渦巻くホッブス的状況は耐え難かったのだろう。個人のモラルに対する期待と失望の間の矛盾する感情がこの二節からは読み取れるようだ。結局、この矛盾は「統制的理念」という超長期で達成されるビジョンの導入によりカントの中では解消されるのだが、やはり短期的には国家と法によるミクロな経済主体への積極介入の必要性を語った点に注目したい。

 彼にとって社会契約/法とは現状から遡定的に理念として共有・実現され続けるものであり、基本的には啓蒙以前の大衆による法への対抗を認めない。(つまり悪法がはびこる可能性については、少なくとも本書では結構楽観的だったりする。これは当時の政治体制が啓蒙専制君主下で、出版物で王制への不支持を表明できなかったこととも関係するが、この辺のバランス感覚への批判には自覚的だったようで、本書でも言い訳をしている箇所がある。)そういう意味では結構彼の語っていることは、今の保守的な経済的(新)自由主義者に通じていたりもするのだが、カントと彼らとの差異は当然あるとして、そういう分かりやすい差異よりも共通性の方に僕は意外な面白みを感じている。
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