各主訴に対してどういうアプローチをしていけば良いか、という考え方がチャートで表されていて、自分の思考をどの様に働かせていけば見逃しが少なくなるか、が示されています。
そのチャートもところどころ旧版から改良されており、また新しく出た知見も取り入れています。ACLSについても、AHAガイドライン2010に則っています。
特に現場でどの様に動いて良いか分からない研修医にとって1つ1つ手順を示してくれるため、頼りになる指標ではないでしょうか。
しかし、抗菌薬の使い方に関しては正直なところ疑問です。
咽頭炎に用いる抗菌薬にマクロライドやキノロン(それもジェニナック)を使用例として出してしまっています。周知のように、日本の溶連菌は殆どマクロライド耐性です。また、キノロンという大げさな武器を出す必要性も皆無です。この咽頭炎の他にも、抗菌薬の使用は現在の薬剤耐性、そして将来の薬剤耐性をあまり考慮していない選択がなされている部分が多々あります。そのため☆を1つ少なくしました。
総じて良書ですが、抗菌薬についてはこの本の通りにしてはいけません。しっかりと別に勉強することが求められます。