今は亡き伊丹十三氏の極上エッセイの一冊。
これを読んだとき、伊丹氏の科学的知識がただものではないことに驚きました。特に「北極ヘイクト東西南北ハドウナルノ?」では、その明快な説明に感動までしました。
村松友視氏のあとがきに、「科学者に基本的な解答をうかがい、それを伊丹さんに伝えたあとに執筆…」と書かれていたので、はあ~なるほどねと一瞬思ったのですが、それにしても、その基本的解答がまったく伊丹氏のエッセイ然と書かれているのです。
間違いなく伊丹氏自身が相当科学に造詣が深く、基本的解答を完全に咀嚼した上で、ご自身の色づけでアウトプットされたと思えます。もう本当に、「女たちよ!」等の著作とまったく同じ味わいで、しかも正確な科学的知識が得られるという、ちょっと想像できない折衷を実現した名著です。