富士そばの社長は、決して平坦な道をきたわけでなく、沢山の業種を経験し、経営の失敗も経験した。今は作詞家をやっているそうだが、作詞家をやることで、自分は「商才」があった、と確認できたとも書いてあった。失敗をたくさん重ね、何度も帰郷しているのに、それでも自分を「商才」があったと評価できる社長のポジティブさがすごいなと思ったし、逆に何度失敗してもそれを学びに変えて、商いへのチャレンジをやめず、トライ&エラーがいくらでもできるひとを「商才」がある、というのかもしれないとも思った。
言っていることは、ほかの老舗の経営者と同じ教訓だけど、上場企業の社長が言うようなむずかしい言葉や知識やテクニックは何もないのでいきなり飛躍できる、とか、年収があがるとか歯の浮いたようなことは言わない。どこかの自己啓発セミナーでいってることをもってきたようなそういう成功者テクニックはない。でも、だからこそ、地に足つけた教えばかりで、価値があるのかもしれない。結局、安定企業は、昔からの商いの王道を来ただけということが確認できる。
マルカンの斉藤一人が、儲けを「信者」と読み、ファンをつくることが儲けの秘訣(どこか作為的で技巧的)といっているのに対し、富士そばの社長は、「儲け」を「ヒトを信じる者」(客を信じる、従業員を信じる、ひとの可能性のすばらしいものを信じる)と解釈しているのもたしかに昔ながらの日本人らしくて面白いと思った。