私は岩手出身なのですが、賢治に隠れて啄木は「貧乏に耐えた母想いの歌人」くらいのイメージしかもっていませんでした。
まさか、啄木がこんなふぅに生きていたなんて。
献身的に支えてくれているキンダイチ君(親友)を日記でけちょんけょんに書いたり、遠くに住んでいる妻からお金がなくて困っていると言われて会社に前借したお金なのに女の人を買いに行ってしまい、アチャー!立ち行かなくなったり。
そんでもって夜な夜ななんか頑張ってるなぁ、って思えばエッチな小説を3時間写して疲れてみたり。
死にたいと思ってみたり。
安月給の若い青年が妻子、母親を一人で扶養しなければならないというプレッシャーは想像を超えたものでしょうが、それにしても岩手の誇りと思っていた啄木様の生き様にしてはグダグダ感がぬぐえません。
そんな啄木でも、才能を信じてくれ続けたキンダイチくんや、会社を休みまくってもかばってくれた編集長、などなどたくさんの人に恵まれてなんとか生きている様子が伝わってきます。お金には恵まれなかったけど、人には恵まれた啄木の青春をどうか読んで下さい。短歌を読むのにも「貧乏に耐えた母思いの歌人」なんてイメージの時より、背景や心情が分かって、生き生きと歌のよさが伝わってきます。
前半にローマ字の日記があり、後半は訳文となっているので、めんどくさそうだなぁと思う心配はありません。私も実は訳文で読んでしまいました。いつか時間ができたらローマ字にも挑戦してみたいです。