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啄木・ローマ字日記 (岩波文庫 緑 54-4)
 
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啄木・ローマ字日記 (岩波文庫 緑 54-4) [文庫]

石川 啄木 , 桑原 武夫
5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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登録情報

  • 文庫: 265ページ
  • 出版社: 岩波書店 (1977/9/16)
  • ISBN-10: 4003105443
  • ISBN-13: 978-4003105443
  • 発売日: 1977/9/16
  • 商品の寸法: 14.6 x 10.6 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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 私は岩手出身なのですが、賢治に隠れて啄木は「貧乏に耐えた母想いの歌人」くらいのイメージしかもっていませんでした。

 まさか、啄木がこんなふぅに生きていたなんて。

 献身的に支えてくれているキンダイチ君(親友)を日記でけちょんけょんに書いたり、遠くに住んでいる妻からお金がなくて困っていると言われて会社に前借したお金なのに女の人を買いに行ってしまい、アチャー!立ち行かなくなったり。

 そんでもって夜な夜ななんか頑張ってるなぁ、って思えばエッチな小説を3時間写して疲れてみたり。

 死にたいと思ってみたり。

 安月給の若い青年が妻子、母親を一人で扶養しなければならないというプレッシャーは想像を超えたものでしょうが、それにしても岩手の誇りと思っていた啄木様の生き様にしてはグダグダ感がぬぐえません。

 そんな啄木でも、才能を信じてくれ続けたキンダイチくんや、会社を休みまくってもかばってくれた編集長、などなどたくさんの人に恵まれてなんとか生きている様子が伝わってきます。お金には恵まれなかったけど、人には恵まれた啄木の青春をどうか読んで下さい。短歌を読むのにも「貧乏に耐えた母思いの歌人」なんてイメージの時より、背景や心情が分かって、生き生きと歌のよさが伝わってきます。

 前半にローマ字の日記があり、後半は訳文となっているので、めんどくさそうだなぁと思う心配はありません。私も実は訳文で読んでしまいました。いつか時間ができたらローマ字にも挑戦してみたいです。
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大人の日記 2009/1/17
By 麒麟児 トップ500レビュアー VINE™ メンバー
歌集、論集に続けて、日記を読む。ローマ字の使用による「いくつかの抑圧」(253頁、桑原武夫解説)からの解放と、しかし一方で近々彼を頼って上京して来るであろう家族たちの養育をどう工面するかというプレッシャーの狭間で、啄木のある意味遅すぎた「ビッグバン」が起こらんとしていた。

それにしても、余りにも率直かつ赤裸々な性描写(オキヨの若園吉雄への夜這いや金田一京助との吉原・浅草行きなど)には驚かされる。「余は 女のまたに手を入れて、手あらく その陰部をかきまわした。しまいには 5本の指を入れて できるだけ強くおした。・・・ ついに 手は手くびまで入った」(143〜144頁)。

畢竟、彼が直面し続けた性的抑圧の意識とそこからの解放の繰り返しは正に彼の創作意欲のエンジン(原動力)であり、それらは不即不離の関係にあったように思われる。「創作の興と性欲とは、よほど近いように思われる」(160頁)。

「あてはまらぬ、無用なカギ! それだ! どこへもっていっても 予のうまくあてはまるアナが見つからない!」(215頁)。「大掃除!大掃除!・・・ わたしも わたし自身の大掃除を やらなければならないのだが・・・・・・」(229頁)。
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はしがきに「この日記は文学上非常に重要である。」とある。
この日記で、稀代の詩人啄木は、人に恵まれていたことが良くわかる。
人の持ち物を質草に入れ、そのお金で女を買い。
今なら、詐欺で訴えられそうだ。
校正を行っていた当時の啄木は、頻繁に会社を休んでいる。
これも、今なら考えられないこと。

多くの人がこの人の才を信じ、その志を支えた事がわかる。
驚くべきは、金田一京助の献身的ともいうべき友情。
この友なくしては、われわれは啄木を楽しむことができなかったであろう。

退廃的といってもいいような彼の行動は、この若き芸術家の魂から迸る
行き場のない叫びのひとつとして、創作に不可欠であったことが
この日記から読み取ることができる。
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