明快で読みやすい本です。
外的な出来事があって即座に結果があるのではなく、
その間にはビリーフ(信念)による解釈があるという考え方(ABC理論)と、
「ものごとがどう見えるかはその人の心次第(唯識)」の類似性を説明しながら、
「論理療法」を紹介、活用や導入が勧められています。
また、意識的であれ、無意識的であれ、
自分を苦しめている諸悪の根源は、
自分が養育歴の中で身につけてきたイラショナル・ビリーフであり、
それを修正する(自分で自分をよけいに辛くしている信念を撃破し、妥当な信念に入れ替える)
ことで人生はラクになると言います。
また、キリスト教や仏教など既成宗教に、ともするとありがちな、
(一部の方々が信じておられるような)
欲求イコール煩悩(罪)だから悪(禁欲が一番良い)という図式ではなく、
マズロー以降の臨床心理学などの取り組みをふまえて、
自然な人間的欲求は正しいかたちで満たされたほうが人間成長につながると
説きます。
マズローの説は本書に詳しいですが、人には、愛されたい、愛したいという欲求、
スピチリュアルな欲求などに向かって、
自然に欲求が段階的に高次に向かう…というものです。
本書は、すでによくご存知の内容が多いと思いますが、
もし唯識、論理療法を新たに知ってみたいという場合は、
読みやすい本としておすすめさせていただきます。