1巻2巻を読んで高まった期待を裏切らない、満足の一冊でした。
どの頁どのフレーズも美しくて、すべてのエピソードに意味があって、すべての登場人物が魅力的。ヤガミ再編のくだりや久我の回想にしても、それによってレストランへのかれらの思いがぐっと際立ってきたと思う。
料理に関わるシーンについても、フレンチがフレンチとして的確に、華やかに描写されていたのは勿論のこと、料理という愛を噛み締める理人の気持ち、愛する人に笑顔になってほしい久我の祈りが、しみじみと心に伝わってきて、ちょっと泣きそうになってしまいました。
時おりはさまれるコミカルなやり取りも、叶の切ない愛情も、イチの静寂も、みんなよくて、頁をめくるたびにあたたかな気持ちがこみあげてきて。
なんとも幸せな読後感です。