哲学者たちの死にざまは、スキャンダルな魅力をたたえ、僕ののぞき見趣味を満足させてくれました。
生とは何か? 死とは何か? を一所懸命に考えつづけた、偉大とよばれた頭脳でも、死ぬときは凡人と一緒だからです。
そんな静かなスキャンダルを淡々と描いていて好印象でした。
でもやはり、哲学者として絵になる死をむかえた人がいます。
フッサールです。
生涯を閉じるすこし前に、フッサールはかつての弟子ハイデカーに、大学の図書館への入出禁止といういじわる(語弊があったらすみません)をされます。
本を読むことを禁止された哲学者の忸怩は、想像するに何かの刑罰としか思えない残酷さです。
★が四つなのは、山田風太郎の『人間臨終図鑑』が、あまりにもおもしろかったから、比べてしまいました。
こちらは、山本周五郎の逸話が強く印象に残っています。