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哲学入門 (新潮文庫)
 
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哲学入門 (新潮文庫) [文庫]

ヤスパース , 草薙 正夫
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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登録情報

  • 文庫: 272ページ
  • 出版社: 新潮社; 改版 (1954/12)
  • ISBN-10: 4102036016
  • ISBN-13: 978-4102036013
  • 発売日: 1954/12
  • 商品の寸法: 15.2 x 10.6 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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36 人中、33人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
僕は現在大学生で、哲学の講義のない大学に通って、
そこの図書館で独習で哲学に取り組んでいます。

ソクラテス以前の哲学者から始めて、プラトンときて、
ショーペンハウアーにびっくりして、
そこからデカルトを経て、
そろそろ最近の人をかじってみようと手にとったのがこの本でした。

手にとった理由は、この人の『デカルトと哲学』という本を読んで
頭に名前が残っていたからというだけなのですが、
それにしても読んでよかった。

内容は一見難しいようですが、
用語の解説みたいなのが載ってる本
(僕は岩波新書の『実存主義』を見ながら読みました)
を片手にやれば、難しいのはだいたい用語(現存在とか実存とか)だけ
ということがわかると思います。

そして一旦内容がつかめ始めたら、あとはもうこの人の誠実でまっすぐな考え方に
心をざくざくやられることだろうと思います。
「人との交わりの中にしか真理は存在しない。」
哲学者の人にそんなこと言われると
元気に頑張ってみたくなるものです。

レビューというよりもただの感想になってしまいましたが
こういう感想も持てる本だということでご了承ください。
このレビューは参考になりましたか?
66 人中、59人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By チャンチキチ トップ500レビュアー
形式:文庫
 ヤスパースはもともとが精神科医だったということもあり、じぶんという個々人の経験に即して哲学の世界に私たちを導いてくれる、「哲学入門」には最適な哲学者だろうと思います。「人間が挫折をどのように経験するかということは、その人間を決定する要点であります…人間が自己の挫折をどのように経験するかということが、その人間がいかなるものとなるかということを立証するものであります」、これらの言葉は殊に難しく考えずとも、私たちの頭で「なるほど」と思えることではないでしょうか。哲学というと難しいことばかりのような気がするけれど、無視できない、ちょっと哲学の世界をのぞいてみたい、という方にまさにお勧めの本です。
このレビューは参考になりましたか?
10 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By dvrm トップ100レビュアー
形式:文庫
 きっかけはハンナ・アレントの「暗い時代の人間」を読んだことで、あの評論集によって外部に自分を開いていく、という行為とその内容・意義がはっきりし始めた。その本でヤスパースは二章に渉って紹介されていた。その姿はアレントの恩師だっただけのことはあって、とても魅力的に描かれていた。以来、機会があればヤスパース自身の論考を読んでみたいと思っていた。

 タイトルは「哲学入門」になっているが、決して哲学に就いての普遍妥当な教理が打ち建てられている訳ではなく、あくまでヤスパース自身の問題意識の反映としての「哲学十二講」といった趣だ。その語られる内容の中に「神」が重要な位置を占めている部分など、哲学に関するお手軽な定義集を求める読者にとってはあまり役に立たない代物ではあるだろう。自分はヤスパース自身の思索の道程を辿りたかったので、その意味では非常に読みやすく、実に対話的に出来ている一冊だと感じた。

 哲学が始まる地点に就いての洞察、「驚きから問いと認識が生まれ、認識されたものに対する疑いから批判的吟味と明晰な確実性が生まれ、人間が受けた衝撃的な動揺と自己喪失の意識から自己自身に対する問いが生まれる」とするくだりや、哲学の振る舞いとしての「見る・問う・考える」の三つの作業、その帰結としての「示し得られる・開明できる・想起されうる」の三つの態度、十一章の終わりの、海を渡る蝶のたとえ、最終章の末尾の、現在を輝かせること、過去と未来を現在性によって輝かせ、そのことで現在をより輝かせよう、とする部分など、どのページにもヤスパースの明晰さと知への、そして勿論人間への愛が、読む者を目覚めさせようと息づいている。

 対話すること、他者と交わること、それが自己を意識し、構成していこうとする営為にとって不可欠であることを、こんなに納得させてくれる論者は今までいなかった。どこかしら、なにかしら強権的・抑圧的にしかものを語れない・聞けないのが今の時代の文法で、そんな中にあってこの本は自分に「哲学すること」に就いての一つの展望を開いてくれる。
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