本書はタイトルの通り、哲学史を俯瞰する書物です。
歴史的に著名な哲学者とその思想を簡潔に、古代から現代まで順を追ってまとめられています。また、哲学的な思考図式を4つ取り上げそれを軸に話をすすめている点が特徴的です。
それぞれの哲学の特徴を端的に描きつつ、またその関連を紐解いていく形で思想史が描かれている点に著者の博学さが伺えます。
その一方で、簡潔に書かれているゆえに逆に誤解を招くのではと思える点もあります。しかし、どのような形であれ、本書をきっかけとして自ら哲学的思考の旅に出ることが、著者の願いなのだろうと思います。
個人的には入門書として、初学者には同じ著者の『図解雑学・哲学』の方がわかりやすいと思います。『雑学』の方と比べるとこちらの新書の方がやや難しいです。この本は哲学概論を受講している大学生、あるいは体系的な哲学史の知識を必要とする他分野の方にお勧めです。
難をいえば、哲学史の「世界地図」と書かれていますが、西洋哲学が中心となっているので、正確には「哲学史西洋地図・東洋思想史ミニマップ付」といったところでしょうか。
巻末に読書案内が書かれている点が親切です。この秋「思考の旅」に出発する方に「旅支度」としてお勧めします。