ちょっとした哲学ブームの昨今、本格的に哲学を勉強してみようと思ったら、やっぱり哲学は難しかったりする。
なぜ、哲学は難しいのか。それはやっぱり抽象的だからだと思います。ならば映画を見ながら哲学も学んでしまおうというのがこの本です。
小難しい哲学書の活字を頭を痛めながら読み進めるのもいいですが、いっそ娯楽で楽しみながら哲学を、というのは目からうろこものです。
まず単純に、「映画と哲学」の二つの案内書としての機能を備えているので、それだけでも使えるというのがありますが、この本の本質は、副題からもわかるように「映画で学ぶやさしい哲学」だと思います。つまり、映画を見ながら哲学を学べる。また、抽象的でいまいちピンとこない哲学者たちの言葉を、映画という視覚的で具体的な物語を表現する娯楽を通すことで理解しようというものです。
したがって、一回見たことのある映画であっても、この本で解説されている「その映画の中にある哲学的要素」を頭に置きながらもう一度見直すと、新しい発見や哲学の理解の助けにもなって面白いと思います。
映画と哲学の比率は7:3といったところで、引用されている哲学者の言葉は心に響くものばかりがチョイスされているのは然ることながら、マイナーな映画の知識と哲学的な鋭い考察が随所にあって飽きませんでした。
映画か哲学のいずれかが好きなら楽しめます。両方に興味があるなら間違いなく買いです。
ところで、某ベストセラー小説にあやかっていると思われるタイトルは著者のジョーク好きがうかがえて語呂もいいが、とくに関係はないようであった。