三段論法の枠組みはごく簡単にそれも頻繁に提示されます。
でもその論法を知った人はそのなかの論証を
演繹的なのか帰納的なのかハッキリと区別して答えられるでしょうか。
またその文言は価値があるのかないのかどちらなのでしょう。
そういった論証についての曖昧さをこの本でだいたい解消できますし、
結果として、多くの哲学者の、いわゆる「奥深い思弁」といった類のものは、
こういった基礎を身に着けないと点検したり批判することはできなくなります。
なんとなく身についていた論証のあれこれが
本書の分かり易い解説と翻訳のおかげでさらに明晰に身近なものになり、
哲学の論証や科学の証明への漠然とした抵抗感や不信感は薄れてしまい、
どのような難しい本であれ
ある本に何が書かれているのか楽しみになると思います。
なぜなら、概念や現象や数式の説明の理解に苦しんだとしても
正しい論証の道筋はある程度限られていてすでに分かっているからです。