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哲学の誤読 ―入試現代文で哲学する! (ちくま新書)
 
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哲学の誤読 ―入試現代文で哲学する! (ちくま新書) [新書]

入不二 基義
5つ星のうち 3.8  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 903 通常配送無料 詳細
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

哲学の文章は「誤読」の可能性に満ちている。すべてを人生や道徳の問題であるかのように曲解する「人生論的誤読」、思想的な知識によってわかった気になる「知識による予断」、「答え」を性急に求めすぎて「謎」を見失ってしまう「誤読」、そして新たな哲学の問いをひらく生産的な「誤読」…。本書は、大学入試(国語)に出題された野矢茂樹・永井均・中島義道・大森荘蔵の文章を精読する試みである。出題者・解説者・入不二自身・執筆者それぞれの「誤読」に焦点をあてながら、哲学の文章の読み方を明快に示す、ユニークな入門書。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

入不二 基義
1958年11月11日生まれ。東京大学文学部哲学科卒。同大学院人文科学研究科博士課程単位取得。山口大学助教授を経て、青山学院大学文学部准教授。自我論・相対主義論・時間論等を主なフィールドとして、哲学をしている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 新書: 304ページ
  • 出版社: 筑摩書房 (2007/12)
  • ISBN-10: 448006401X
  • ISBN-13: 978-4480064011
  • 発売日: 2007/12
  • 商品の寸法: 17 x 10.8 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.8  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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36 人中、34人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By moma
形式:新書
4つの哲学を題材とした入試問題(東京大学、早稲田大学等々)が俎上に挙げられる。大きく「時間」をテーマ
に問う、それ自体刺激的な文章である。過去と現在、そして未来について論じられるそれらの文章を徹底的に
読みこなすこと自体がすでに哲学の入門となる。ついで問題を解く。面白いのは設問自体を著者は鋭く検証して
いることだ。「出題者はこの文章をわかっているのだろうか?」という問いかけは、余りにも大胆であるが、
読者としても背筋が伸びる。さらに参考書の回答例が羅列される。赤本(教学社)、青本(駿台文庫)、河合、
Z会、代々木。これらには大学入試問題の枠の中での解答が列挙されているのであるが、それでもこれほど解答
が違うのかと、私は驚いた(すでに大学入試は縁遠い)。面白いのはその「枠」を遙かに超えた解答(説明と
いうべきか)が用意されていることだ。入試問題は書物の一部を切り取らざろう得ないが、その前後あるいは
元の書物全体を俯瞰した説明なので、書物本来の意味(すなわち各著者のいいたかった本当のこと)が伺えて
より納得がいくのである。「出題者の問題の切り取り方に問題がある」という出題もあったりする。

本当に面白い親書を読んだような気がするのである。
このレビューは参考になりましたか?
36 人中、31人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
新進気鋭の哲学者が、大学入試の現代文問題に挑むという内容である。ただし、取り上げられる題材は日本の代表的な哲学者によるので、短い文章ながら、それぞれの哲学者の入門書として読むこともでき、私のように大学入試問題に関心がない者でも、じゅうぶんに楽しめた。

決してやさしい内容ではないのだが、入不二氏のくせのない端正な文章のおかげで、たいへん気持ちよく読み進められた。それはまた、入不二氏が、出題元である野矢茂樹氏、永井均氏、中島義道氏、大森荘蔵氏に同じ哲学者として尊敬心と畏怖心を持ち、おのおのの短文に誠実に向き合おうとしているからでもある。

入不二氏の文章はとにかく明快である。「のかもしれない」「のだろう」「と思う」「にちがいない」などの推量表現を極力避け、私たちを着地点に連れて行くために、綱渡りのような論理の連続を見せてくれる。一貫した立場とブレのない視線、そして何よりも自分の読みに揺るぎのない自信があるからこその名人芸である。

哲学の誤読とは何か。それは「哲学している」文章に不誠実に向き直ることである。私たちは、ある疑問に対する答えを求めるために文章を読むことに慣れすぎ、哲学に対しても同じようなスタンスをとってしまう。哲学にすら答えを求め、答えのないものに答えを見つけてしまう。それこそが「哲学の誤読」である。

「哲学している」文章には答えは書かれていない。そこにあるのは、永遠に「哲学せざるをえない」哲学者の編む悲痛なプロセス、そしてそれを誰かに伝えたいと思う強靱な意志だけである。読者は書き手と一緒に「哲学する」しかない。だが、入試問題の出題者の多くは、その悲痛な文章を鈍感に切り取り、穴を空ける。また、受験産業の解答者は、まるで文章が100%わかったかの顔を受験生に向けて、その文章を自分の「知識内」にあるかのように解説していく。入不二氏のような誠実な哲学者にとって、それは痛みが走るほどの愚行でしかない。

文章を読むときには、わかった気にならないこと、強引に自分の論に引き入れないこと、つまりは誠実にそれと向き合うこと、そんな当たり前だが、大切なことに気づかせてくれる好著である。
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6 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
執念深い 2009/10/12
By pp-tang
形式:新書
以前、同じ著者による『相対主義の極北』にトライしたが、そのあまりのしつこさに三歩歩まず挫折。にもかかわらず類書のないユニークさにひかれ懲りずに今回本書を読んでみた。遡上にのぼる4人の哲学者の文章は、過去に著作を読んだことがあるし馴染みがあったし気に入っている。今回は入試問題としてチャレンジ気分で読めだ。だがそれらについての著者による解説は、自分であとがきにのべているように「執念」のこもったもので、議論はねちっこく通読はやはり骨に感じたので、選択的に読んだ。著者のひっかかりのポイントに深いところで共感できる人でないと、なかなか著者のすべての思考過程についてくのは大変だろうと思う(ちなみに『相対主義の極北』の粘着度は本書の比ではなかった)。立ち読みを少ししてからご購入決定されることをおすすめします。
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