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前4世紀、アテナイにアリストテレスが開いた学園リュケイオン。そこで学んだステファノスという青年が主人公。彼は若くして父親を亡くし、家長となっています。
アテナイの貴族で富豪のプータデスが、弓で喉をつらぬかれ、殺されます。なぜか、傷害致死罪で国外追放中のフィレモンに疑いがかけられます。フィレモンはステファノスのいとこで、一族に男がいないため、ステファノスが弁護に立つことに。
困ったステファノスは、昔の師・アリストテレスの知恵を借りに行きます。
アリストテレスの三段論法、修辞学、弁論学などを織りこんだ会話が秀逸。けっして難しくはなく、彼の哲学講義をそのまま聞いているかのようです。
また、古代都市アテナイの裁判のやり方なども興味深い。被告、被害者ともに肉親が弁護に立つのです。そして予審審問や公判の、両方の弁論の駆け引きも読みどころ。
さらに、ステファノスの普通のひとらしいマヌケぶり、カッとなる性質や、フィレモンの若者らしい快活さなども、いきいきと描かれています。古代人に親近感をいだかせます。
著者は続編も執筆中とのこと。アリストテレスの宇宙論など自然科学はでてこなかったので、まだまだ期待させます。
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