ひさびさにひどい本を買ってしまった。
多くは参考文献からの引用。台湾と日本の歴史的関係から哈日族にアプローチする、
という手法はうなずけるが、読者が一番知りたい哈日族の実態には触れられていない。
つまり、核心まで届いていないのだ。
著者は台湾在住、記者出身ということで、深く取材をされているのかと想像していたが、
哈日族のコメントまでもが、参考文献からの引用であったことには驚かされた。
著者もあとがきで、「独自の観察がない」「哈日族の中心世代である10代とは年齢もかなりかけはなれて」いるので、「先人の研究成果を利用させていただいた」と述べられてるが、
言うまでもなく、独自に取材することに年齢は関係はないし、独自の観察がない(書けない)のならば、このテーマを、この著者が執筆する必然性は全くない。
これは著者の責任というよりは、担当編集者の著者選定に問題があり、
なおかつ編集者に内容を校正(構成)する力量がなかったのだろう。
光文社新書に総じて言えることだが、流行のテーマを旬のうちに迅速に発行する、
ということに力点がおかれ、内容の奥深さを感じさせる本が少ない。
タイトルには惹かれるが、内容が薄っぺらい本が多すぎるのである。
これはあくまでも私自身の感想です。著者は他に台湾関係で良い本を書かれています。
文化交流の歴史、というタイトルなら納得いくのですが、内容と書名がかけ離れていたので、あえて辛辣に書かせていただきました。