作曲家ロベルト・シューマンと、妻であり名ピアニストだった
クララ・シューマンの物語。
原題は「春の交響曲」で、シューマンが1841年に
交響曲第1番「春」を完成させるまでのドラマになっているため、
日本語タイトルに付けられている「トロイメライ」は、
この作品の中ではそれほど重要な位置を占めていません
(でも、シューマンがクララの前でトロイメライを弾く場面は心に残ります)。
ドイツ映画に馴染みがないせいか、
画面から伝わる印象は古くて暗いという、
少しとっつきにくい感じです。
ただ当時のライプツィヒの街並みや、人びとの生活のようす、
楽器や衣装などが忠実に再現されていて、とてもリアル。
特にピアノは、外見も音色も現代とは全然違っています。
物語の展開も史実を重視しているため単調で、
シューマン夫妻について知識のない人や、
純粋に映画として楽しみたい人にとっては、退屈かもしれません。
物語は二人が紆余曲折のすえに結婚を果たし、
シューマンが念願の交響曲第1番を完成させて
メンデルスゾーン指揮の演奏が行われる場面で終わるのですが、
当然ながら、決してハッピーエンドではない含みを持ったラストです。
私としては、二人のもとにブラームスが訪ねてくる場面も
見たかったですし、どちらかというとシューマンの死後の
クララに興味があったのですが、
それはそれで別の作品になりそうなので……
仕方がないでしょうね。
この時代の音楽家を描いた作品としては、
ショパンを描いた「別れの曲」が有名なので、
こちらもぜひ見たいと思っています。