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哀れなるものたち (ハヤカワepiブック・プラネット)
 
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哀れなるものたち (ハヤカワepiブック・プラネット) [単行本(ソフトカバー)]

アラスター・グレイ , 高橋和久
5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 2,100 通常配送無料 詳細
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商品の説明

内容紹介

〈ハヤカワepiブック・プラネット〉ウィットブレッド賞、ガーディアン賞をダブル受賞した、スコットランドの奇才の代表作、待望の邦訳!

作家アラスター・グレイは、グロテスクな装飾の施された一冊の書を手に入れた。『スコットランドの一公衆衛生官の若き日を彩るいくつかの挿話』と題されたその本は、19世紀後半のとある医師による自伝だった。それは、実に驚くべき物語を伝えていた。著者の親友である醜い天才医師が、身投げした美女の「肉体」を救うべく、現代の医学では及びもつかない神業的手術を成功させたというのだ。しかも、蘇生した美女は世界をめぐる冒険と大胆な性愛の遍歴を経て、著者の妻に収まったという。厖大な資料を検証した後、作家としての直感からグレイはこの書に記されたことすべてが真実であるとの確信に到る。そして自らが編者となってこの「傑作」を翻刻し、事の真相を世に問うことを決意するが……。虚か実か? ポストモダン的技法を駆使したゴシック奇譚。

内容(「BOOK」データベースより)

小説家アラスター・グレイは、グロテスクな装飾が施された一冊の書を入手する。『スコットランドの一公衆衛生官の若き日を彩るいくつかの挿話』と題されたその本は、19世紀後半の医師による自伝だった。それは、実に驚くべき物語を伝えていた。著者の親友である醜い天才医師が、身投げした美女の「肉体」を救うべく、現代の医学でさえ及びもつかない神業的手術を成功させたというのだ。しかも、蘇生した美女は世界をめぐる冒険と大胆な性愛の遍歴を経て、著者の妻に収まったという。厖大な資料を検証した後、グレイは小説家としての直感からこの書に記されたことすべてが真実であると確信する。そして自らが編者となってこの「傑作」を翻刻し、事の真相を世に問う決意をした―。虚か実か?ポストモダン的技法を駆使したゴシック奇譚。ウィットブレッド賞、ガーディアン賞受賞。

登録情報

  • 単行本(ソフトカバー): 442ページ
  • 出版社: 早川書房 (2008/1/26)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4152088575
  • ISBN-13: 978-4152088574
  • 発売日: 2008/1/26
  • 商品の寸法: 18.8 x 13.4 x 3 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 293,474位 (本のベストセラーを見る)
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9 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By まーさん VINE™ メンバー
形式:単行本(ソフトカバー)
ものすごく嘘くさくて、すべて作り物めいているのに
ここで語られていることは「真実」であると確信できます。
(ただし、「事実」ではないと思います。その点、お間違いなく)

何よりも、ヒロインのベル(ヴイクトリア?)のチャーミングなこと。
最後には、彼女の「哀しみ」に胸を打たれます。
(くれぐれも「編註」を読み飛ばさないように。)
彼女を取り巻く情けない男たちだけでなく、
彼女自身もやはり「哀れなるもの」に含まれるのでしょう。
(そして、おそらく、私たちも)

素直な気持ちで、アラスター・グレイ氏の「仕掛け」に引っかかりましょう。
このレビューは参考になりましたか?
9 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本(ソフトカバー)
本書は作者アラスター・グレイが入手した古い私家版を翻刻して世に出したという体裁になっている。ここで、すでに作者のたくらみは始まっている。このグレイが手にした医学博士アーチボルド・マッキャンドレス著「スコットランドの一公衆衛生官の若き日を彩るいくつかの挿話」という本には、19世紀末に実在した医師の驚くべき半生が書かれていた。それは外科手術によって死から蘇った美女が登場する、もう一つのフランケンシュタインの物語だったのである。驚くべきは、詳細にわたる訳注によって浮かび上がってくる物語の信憑性だ。どこまでが真実で、どこからが虚構なのか?ただ単純に物語を楽しむだけなら、そんなことに関わらなくても十分楽しめるのだが、これだけ綿密な訳注が付加されていると、読み手としてはそれに思いを馳せないわけにはいかなくなってくる。それほどまでにグレイの手の込んだ術中にまんまとはまってしまうのである。物語自体もタイトルから汲み取れるように、登場人物すべての人が憂愁をまとっていて忘れがたい。ラストにいたって当の女性が書いた書簡も登場し、いままで読んできた物語が根底からひっくり返される構成も秀逸だ。しかし、これを鵜呑みにしてはいけないのだ。ここにも作者のたくらみがあるのである。いわば本書はポストモダンを代表する『騙り』の技法で語られた物語なのだ。作者自身による本書確立の過程を綴った『序文』から、付加された『批評的歴史的な注』まで徹頭徹尾この精神で貫かれた、大いなる疑惑の書なのである。
このレビューは参考になりましたか?
7 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By B.B
形式:単行本(ソフトカバー)
グレイが序文で自ら言ってるように面白い話が衒いなく語られればそれが何よりです。ただ商品の説明にある通りの内容(天才医師による創造物:クリーチャーはニンフォマニア?)と構成(グレイは序文と脚注を作成、きな臭い自家出版本とその作者の妻<クリーチャー?>の書簡をほぼ原文通りに編集)であれば策略と陥穽の臭いがプンプンします。でも読み終わった今その猜疑に満ちた読書態度は訳者も忠告されてるように誤っていると反省しています。

天才外科医は語ります。「(病理解剖重視の風潮は)多くの医者を、生命とは本質的に死んでいる何かにおける揺れや動きである、という思考に導くことになる。患者の身体を治療する彼らには、心つまり<命>に対する敬意など微塵もない」と。レンブラントの作品をいくら解体/分解して微細に観察したところで巨匠の技芸を学んだことにはならないということです。『哀れなるものたち』はグレイの技芸であり息づく生命/心の動きこそ主点なのです。虚実の些細にこだわる人は、偉大な名著『グレイの解剖学』からの挿絵で癒されて下さいということなのでしょうか。(その他にも図譜は豊富で楽しめますが、虚実にこだわらなければです。)グレイにとっては心のダイナミックな動きを通してひとつの社会の全体像を明らかにしていればそれは真実の書なのです。心の動きでは「慎重に隠された嫉妬」や「いくばくかの放縦な官能性の要素」などが描かれ「19世紀に蔓延したあらゆる病的なものの放つすえた臭い」や「ヴィクトリア朝趣味の強烈な臭み」「戦争の本質である自己卑下という流行病」を体感できるのです。ということでやはりグレイは「真実しか言わないし、書きもしない。嘘をつくとき以外は」という訳者のあとがきもまた真実であると確信しました。

そして奔放なヒロインが最後に求めるのは「暖かく揺らがないもの」ですと。泣くなりわめくなりしたい方にはお勧めです。
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