ビートルズを弦楽合奏や、クラシックの合奏体で演奏する試みは他の楽器でも為されていますが、
「ベルリン・フィル12人のチェリストたち」の為に三枝成彰氏が編曲した、ということで、この
アルバムは大変評判になりました。
単に、その「顔合わせ」が面白いのではなく、これはビートルズの楽曲をクラシックの楽器で演奏するべく
施された編曲の中で、最も成功したものといえましょう。ライナーノーツにも同じようなことが、書いてありますが、
従来は、例えば、ビートルズを「弦楽四重奏」用に書き直すときに、なまじリズムを残そうとして、主旋律以外の楽器が
「リズム伴奏」になってしまって、しかし、それは中途半端で失敗しているのですが、
三枝成彰氏の編曲は、リズム=「縦の線」を殆ど無視して、思いきって旋律=「横の線」を強調した。
これにより、曲想は、当然原曲とはかなり違ったものになりますが、弦楽器の表現力、とりわけ「歌う力」が
存分に生かされています。
屈指の名編曲と名演奏だと思います。