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15 人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
リアリズムを超えたリアリズム,
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レビュー対象商品: 和宮様御留 (講談社文庫 あ 2-1) (文庫)
これは文句なしにおもしろい。リアリズムを追求してやまない有吉の筆が、冴え渡る。 あまりの臨場感に、私などは和宮オタクとなってしまった。 大竹しのぶと岡田奈々というキャストでドラマ化されたのは周知であるが、ドラマにすると、原作のリアリズムには遠くおよばない。 有吉のリアリズムは、人間にとって欠かせざる行為である「食事」「排泄」「身づくろい」をこれでもかというくらいしつこく描く。「しょせん人間は生き物よ」という声が聞こえてきそうだ。 人間を隠すという場合に最も問題になるのが「食事」と「排泄」。そこを中心に描くことによって、臨場感はゆるぎないものとなる。 私は「替え玉」問題については、現在は「フィクション」と思っている。 主な理由は、徳川慶吉の助命のために和宮が書いたという自筆の手紙、これに尽きる。 この時代はテープレコーダーもなく、和宮が印璽を持っていたというわけでもない。 助命嘆願の手紙の効力とは、その真贋にかかっているわけだ。 書に優れていたという和宮本人が書いたものでなければ、相手にされない。 そんな中に、天皇本人にあてて手紙を書く、というのは、和宮が本人であったからだ。 片手問題や小児マヒについては、我々の想像を超えたなんらかの回答があるのだと思う。 だいたい、墓にあった人骨が和宮本人だという証拠はないではないか。 ロマンがひとつ消えてしまった気がするが、それでも有吉の「御留」の世界は残る。和宮オタクである私は、「御留」に書かれていない「和宮の江戸城生活」にも大いに興味があるが、そこを省いてもなお素晴らしいこの作品。 ラスト、少進が駆けつける場面は、涙なしに読むことができない。
7 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
もはや小説のジャンルを超えた華麗なフィクション!,
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レビュー対象商品: 和宮様御留 (講談社文庫 あ 2-1) (文庫)
もう20年近く、何度も読み返している作品です。何度かドラマ化されているそうですが(私は観ていません)、そんな事はどうでも良くなってしまうほど純粋に面白い。嘘でしょ、こんな事ある訳ないじゃん!と思いつつ、一気にフキの心情にはまり込んでしまいます。豪華な衣装をまとい、いかにも訳知り顔ですましている公家連中の真実が、実はこうだったのかも…と考えるだけで、おかしくなります。飼い殺し同然のお姫様のリアルな日常は哀れなものですし、フキの末路はいかに…? 有吉文学の真髄を知る上で、絶対に外せない秀作です。
10 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
読めば読むほど読み返したくなる,
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レビュー対象商品: 和宮様御留 (講談社文庫 あ 2-1) (文庫)
読み終わってからいろいろ考えさせられる本です。暗く静まり返った公家屋敷、ヒンプクピンプク言いながら行き来する公卿、閉ざされた世界。 それ故に可能だった和宮のすり替え。 フキはまさに人身御供となった末に打ち捨てられてしまうのですが、あんなにフキに優しく接していた唯一の乳母少進も最後に彼女を思い出すことはなかったようです。 フキは身代わりというよりも単なる代替品で人間扱いされることなく忘れ去られてしまったのです。 時代の流れに踏み潰された少女の物語がフィクションでなく、本当にこんなことがあったのかも?とドキドキします。 この本が発表された当時は和宮の真偽に賛否両論沸いていたようですが、結局どうなのか今ならDNA鑑定でもなんでもできそうな気がするのですが・・・。
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