昨年(2010年)の9月5日の朝日新聞1面トップ記事に「和僑になる!」と書かれた特集記事が掲載された。その後も新聞各社やNHKなどのテレビ局が、中国に越境しキャリアの充実を目指す日本人の若者たちを紹介していた。経済低迷や人口減少などの問題を抱え先行きが見えない日本から、新興国の中国・アジアに越境して、日本では得られなかった「働きがい」を見つける若者たちが紹介されていた。
本書はこうした若者たちの中で、15人の起業家を紹介している。多くは普通のサラリーマンの子どもたちだった人々である。日本で培ったビジネス経験を元に中国で起業したり、製造業出身者が未経験のフードビジネスで大成功し、わずか1年で何店舗も出すケースも紹介されている。日本でスーパー・ビジネスマンだった人やMBAホルダーを持つものはいない。ごく普通の日本人たちが、いかに中国で起業するかを紹介している。
「中国ビジネスは危険」というネガティブな書籍が多いが、本書はGDP世界第二位となり今後も拡大成長を続けていく中国社会でポジティブに生きビジネス・チャレンジをする日本人たちを描いている。
先が見えずに悶々としている若者たち、仕事に生きがいを見出せない人たち、経営に生きずまり活路を見出すヒントを探している中小企業経営者たち、いろいろな人にこの本は、元気を与えてくれ、今後の方向性のヒントを与えてくれるものであると思う。