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6 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
取り上げる題材が幅広いのが素晴らしい。,
By 黒猫嬢 (山形県酒田市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 和を継ぐものたち (単行本)
この手の和物の本は、「世界のグローバリゼーション化の反動で、和の文化に安易に退行して保守回帰している人達に、著者や出版社が戦略的なマーケティングで出版している」という先入観が有った。しかし、この本は良かった。著者の小松成美さんは和者の専門家じゃないのが残念だが(歌舞伎役者に取材しているけれど)、よく勉強されているし、対談相手の個性も引き出されているし、取り上げるジャンルが幅広い。普通、和物の本で取り上げる題材は、伝統芸能の演者・邦楽の奏者・職人くらいなんですが、『和を継ぐものたち』では、和物の本でも滅多に取り上げられない弓馬道家・香道家・鵜匠を取り上げているのが素晴らしい。個人的には、日本画家・華道家・茶道家・陶芸家も取り上げて欲しかったです。
2 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
くたばれ、世界標準!,
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レビュー対象商品: 和を継ぐものたち (小学館文庫) (文庫)
この本は、イチローや中田英寿、中村勘三郎などへのインタビューで定評があるノンフィクションライター小松成美が、「和」の心を楽しむ月刊女性誌『和樂』に、2年間にわたり連載した人物ルポを一冊にまとめたもの。主役はあくまでも語り手、和を継ぐ人々。棋士、三味線奏者、篠笛奏者、武田流弓馬道、和蝋燭職人、薩摩琵琶奏者、大藏流狂言師、喜多流能楽師、漆作家、釜師、香道御家流宗家、落語家、扇職人、文楽人形遣い、尺八奏者、鵜匠、刀匠、尾陽木偶(びようでく)職人、書道家、纏(まとい)職人、江戸筆職人、つまみ簪(かんざし)職人の22人。 まず、世の中に、こんなにも「和の仕事」があるのかと驚嘆。そして、どのインタビューにもキラッと光る一言があることに気づく。「自分の存在をかけて笛を吹いている」、「薩摩琵琶は武士の魂(ソウル)です」、「(狂言は)笑いということでは『ドリフ』と同じ」、「能は第六感に響くものがある」、「香りを遊びに取りこんでいるのは日本だけ」、「(人形は)命の限界を超えて残るもの」といった言葉には混ざり気のない重みがある。それは、22人が鍛錬や修練を積み重ね、それぞれの分野で見出していく物事の真髄の重みだろう。 また、語り手の多くが20代から40代の若さであることには希望を感じる。これはひょっとすると、『国家の品格』や『美しい日本』などよりもっと、この国の本質というか、魂を捉えた一冊なのかもしれない。インタビューを通じて「もし今一度生まれ変わるなら、こうした仕事に就きたい、と願ったほど」著者自身が感銘を受けた瞬間の記録集として、読み応え十分。
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