食通、映画通として知られた著者ですが、単に贅沢なものを好んだわけではなく、ご自身の小説あるいは演劇に季節感を持たせるために、ご自身もそのようなものを食されていたのは、池波ファンには有名な話しかと思います。
そのような食通にして映画通でもあった著者が、1~12月毎に季節感のある食材や映画について語ったエッセイ集です。そこにあるのは、決して金銭的に豊かであったわけでないけれども、日々、一生懸命に働き、旬のものを食べ、正月ともなると、スター総登場のチャンバラ映画に狂喜していた昔の人々の豊かな生き方です。
食や映画、そして著者自身の挿絵を通して、そのような貧しいけれども豊かであった時代をしのぶことができる贅沢なエッセイ集です。