呪怨シリーズは大ファンで、ビデオシリーズからハリウッドリメイクに至るまで、すべて好きで何度も見ているくらいである。
「白い老女」を観て、しっかりと呪怨の怖さ、おもしろさが継承されていたために期待してこちらを見たのだが、予想を上回るほどの出来の悪さだった。
呪怨は各エピソードがある程度独立して怖く、それらが連なることでより大きな物語と恐怖を描き出すことが特徴だったが、この作品はそれができていない。オープニングのエピソードからして、オチをわざわざ次のエピソードのラストで見せてしまうのである。しかも「劇場版2」の1エピソードの焼き直しのようなオチ。その後のエピソードも、呪いが広まってさまざまな事件が起こっている感覚があまりにも希薄。現況が一人の少女だとしても、そこから無限に広まるような呪いを描かなければだめではないか。結局のところ、メインとなる「生まれてこなかったもの」のアイデア、そして子役の演技が秀逸なだけで、あとはひたすら無計画だ。
呪怨シリーズはまず怖いシーンありきで、そこからストーリーを作っていけるのが強みのはずなのに、それを生かさないとは、呪怨である意味すらない。一切予想を超えるような恐怖がない。「ほんとにあった怖い話」レベル。
除霊シーン自体を否定はしないが、せめて「劇場版2」ぐらいの、過剰でもいいから過激な見せ方をすべきだったろう。
それでいて、オリジナルや白い老女のような、紙一重の笑いもない。
こちらに予算の半分を費やすぐらいなら、「白い老女」にすべての予算を回して90分の作品にしたほうがよかったのではないだろうか。