レビューには「怖くない」「笑える」という意見が多い本作ですが、久々に怖い恐怖映画を観たという思いが強いです。
(私はホラー映画マニアでもないし、心霊モノジャンキーでもありません)
時間軸が交差しているエピソードによって構成されているためか、ストーリーを理解するために努力しなければならなく映画に没頭することが出来ない、などという意見もありますが、エピソードをつなぐ台詞や状況設定はちゃんと用意されており、普通に観ていれば容易に理解できると思われます。
殺人現場でもある佐伯家の建物に関わった(入り込んだ)人間を、余すことなく全て呪い殺し怨念の世界に引きずり込む伽耶子は、まるで悪霊界の通り魔のような存在で、意思の疎通がなく神出鬼没な分人間の通り魔よりもタチの悪い存在といえます。破壊衝動の塊、怨念のブラックホールの中心、昆虫の蟻地獄のようなこの亡霊に一度目をつけられたら逃れられない不合理な感覚と憤りがこの恐怖感の源です。
近年のJホラーといわれる作品を本当に楽しむ(怖がる)には、自身を登場人物に置き換えて主観的に観る想像力がある程度は必要であり、客観的に眺めているだけの方は「ただの白塗りじゃん、全然怖くねー」なんて言葉しか出てきません。ただ笑いと恐怖って結構紙一重の部分がありますけどね。
真摯な気持ちで怖がりたい方に是非ともお薦めしたい映画です。
THE JUONの前に先にこちらを観ることをお勧めします。