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一冊まるごとスリリングなこの3作目ですが、もっとも心に迫ったのは、一番最後に挿入されているヘナロの「イクストランへの旅」です。短い挿話なのでここに要約するのは簡単なのですが、この旅の深さは私のつたない言葉ではとても言い尽くせないので、ぜひ本文を読んでください。
どんな絶望をも超えさせる「力」があり、しかも個人がそれを持ちうる。だからカスタネダはドンファンの真実に納得させられたし、私たち読者も、日常生活では考えもつかないような説得力をドンファン個人が持っているから、このシリーズに惹かれるのでしょう。ただのファンタジーではなく、実際に「力」を持っているかどうかが、現実と幻想の分かれ目だと思います。
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