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呪師に成る―イクストランへの旅
 
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呪師に成る―イクストランへの旅 [単行本]

カルロス・カスタネダ , Carlos Castaneda , 真崎 義博
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登録情報

  • 単行本: 366ページ
  • 出版社: 二見書房 (1974/01)
  • ISBN-10: 4576000314
  • ISBN-13: 978-4576000312
  • 発売日: 1974/01
  • 商品の寸法: 19 x 13.2 x 2.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 219,880位 (本のベストセラーを見る)
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1、2作目があくまで学者風を装っているのに対し、この3作目では理論武装を解いて呪術の世界を受け入れており、幼子のように無垢で前提のない視線で未知への恐怖が描かれています。理性とは全く縁のない世界になっているので、先の展開が全く読めません。ドンファンシリーズの本当の魅力は、この3作目から始まると、私は思います。

一冊まるごとスリリングなこの3作目ですが、もっとも心に迫ったのは、一番最後に挿入されているヘナロの「イクストランへの旅」です。短い挿話なのでここに要約するのは簡単なのですが、この旅の深さは私のつたない言葉ではとても言い尽くせないので、ぜひ本文を読んでください。

どんな絶望をも超えさせる「力」があり、しかも個人がそれを持ちうる。だからカスタネダはドンファンの真実に納得させられたし、私たち読者も、日常生活では考えもつかないような説得力をドンファン個人が持っているから、このシリーズに惹かれるのでしょう。ただのファンタジーではなく、実際に「力」を持っているかどうかが、現実と幻想の分かれ目だと思います。

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「おまえが生まれた日からずっと、なんかの方法で、だれかがおまえになにかをしつづけとるんだ」
ドン・ファン・マトゥスがカスタネダに語るこのシーンは、本書のなかで私が一番好きな、また多く
を啓発される箇所です。
 わたしたちは物心がつくに従って少しずつ観念のとりこになり、薄かったフィルターを色づけし汚す
ことに傾注することで一生をおくります。
 五感を通してわれわれが感じることのすべては実は、各個人固有の色のフィルターで色づけされ歪められて感知されています。それがドンファンの言う「すること」です。
そして「すること」によって感知される現象のみが唯一の真実だと信じ生涯を終える。「世界をとめる」こともその方法も知らずに・・・。我々は全く、固有の宇宙を「意識」しているエネルギーに過ぎないと分かります。

 今般の世界情勢をみるにつけて、人々がそろそろ「すること」の限界と「しないこと」の価値に気づき始めているような気がします。そして「しないこと」に気づくきっかけとなるのは、ドン・ファンが著者に対してするように「すること」の不確実性がもたらす混乱と深淵に追い込まれることなのです。

今、現時点で多くの人に読まれるべき良書です。
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By 一市民 トップ500レビュアー VINE™ メンバー
偽書である。内容の突飛さに、そういう疑いを持つ人も多い。

一応文化人類学の本になるのだが、その範疇を軽く超えている。著者が、メキシコ・ヤキインディアンのシャーマンに弟子入りし、ペヨーテを使った神秘体験、夢のコントロール、世界を止める体験などを経て、一人のシャーマンとして大成するまでの過程を追った、なんとも不思議な本だ。内容は通常の文化人類学のフィールドワークとは異なり、著者の主観を以って語られる。そしてその中で出てくる神秘的な超自然現象の数々、現実のこととは思えず、俄かには信じがたい。しかしそれが現実であるならば、なんと世界は魅力的なものであることか!

そして、最終章、イクストランへ向け終わりのない旅を続ける老インディアンとの別れのエピソード、ここに人間の孤独さの深淵をかいま見る。この深さ、私の文章力ではとても説明しきれない。

偽書であってもいい。これだけ深い世界を創作したのだとしたら、それはそれで最高のファンタジーだ。最高のファンタジーは時として、現実にすら侵食する力をもつ。

それにしても本書をはじめ

・三角寛の「サンカ社会の研究」
・マーガレット・ミードの「サモアの思春期」
・ジェルメーヌ・ディルランの「青い狐」

など、偽書とされる文化人類学系の本には、なぜこうも魅力的な本が多いのだろうか。

読む人によっては危険な本になりうる。この点を差し引いて★4つ。
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