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呪いの時代
 
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呪いの時代 [単行本]

内田 樹
5つ星のうち 4.1  レビューをすべて見る (15件のカスタマーレビュー)
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登録情報

  • 単行本: 285ページ
  • 出版社: 新潮社 (2011/11)
  • ISBN-10: 4103300116
  • ISBN-13: 978-4103300113
  • 発売日: 2011/11
  • 商品の寸法: 18.6 x 13.2 x 2.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.1  レビューをすべて見る (15件のカスタマーレビュー)
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 どうして,また買ってしまったのでしょうか。でも読みおえてから,妙に嬉しくなりました。どうしてでしょうか。どんな立場の人であれ,いかなる年齢の人であれ,いろいろな人が「共生して生きる」ことのすばらしさを,これほど平易に語りかけてくる文体に出会ったことがことがなかったからでしょうか。
 今まで読み続けてきた著者の考え方が,随所に顔をのぞかせていますが,人間としての「成熟」のために,「呪い」とどう向き合うかが,根源的に問い直されており,またしても心をうごかされてしまいました。現代では裾野がひろがって猖獗を極めている「呪い」は,劣化したメディアに煽動され,原子化された日本人が,やむなく肥大せざるを得なくなった「自尊感情」が誘因となっているのでしょうか。自らの存在か,他者の存在かを「呪う」ことでしか心身の存在を維持できない時代の息苦しさが,見事に活写されていて,溜飲が下がります。
 読者の中には,この本自体が「呪い」をふっかけている本ではないかと詰る向きもありますが,よく文体を味わってください。その論調には,なおもて人間が他者と共生する能力への期待が込められていると感じられてなりません。生きることには,嫉妬やねたみ,呪いが避けられません。それでもなお,かかわる相手の多様性を認め「祝福」し,落としどころを粘り強く見いだして共存していく能力が人間には備わっていると,著者が湯勇気づけてくれています。そうした力が,人間に大いなる慶びをあたえ,自らの弱さを克服し,自分一人ではなしえなかった能力を開花できると,実にわかりやすく説いている文体が,心に染み入ります。
 ただ批判するだけの論者,それこそしっかり読み取りもせず(小生も読み取っていないかも知れませんが),ただ自分の意見と同じか反対かだけで感情的にもちあげたり,罵倒したりする読み方では,何も得ることのない書物かも知れません。
 正しいか間違っているか,良いか悪いか,白か黒か,根拠となるデータはあるのかないのか,などといった読み方では,おそらく何も得られない本かもしれません。逆にそうした読み方だけでは,どれほど人間の関係性を発展させる可能性を狭めるのか,「生き延びる」ことを妨げるのかを,これほど情理をつくして語られた本を読んだことはありません。
 この本は,「呪い」を根絶せよといっているとも思えません。もちろん「呪い」をうまく使い,憎い相手に一矢報いるための本とも思えません。「呪い」は人類が存続する限りなくならないと読み取れました。むしろ「呪い」をうまく飼い慣らしながら,決して「呪い」に呑み込まれないための処方箋が,とても身近で取り組みやすい形で提案された,実践的なエチカとして読むことができました。挫けそうになる孤独な魂が,日々勇気づけられています。久しぶりに何度も何度も読み直してたくなる本でした。「呪い」から「祝福」,そして人間的「成熟」のために。
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By トップ500レビュアー
Amazonが確認した購入
新潮45掲載中心のエッセイであり、その内容は多岐に亘っているが根本は我々を取り巻いている状況に対する危機であろう。
大まかに言えば新自由主義が生み出した少数の強者連合と多数の弱者の出現である。共同体とは異なる階層社会、無縁社会が生まれつつある。
合理主義、効率主義、数値主義つまり市場原理主義で社会は保つだろうかということである。

ここで著者は、今後の大きな見通しとして市民的成熟と共同体の再構築つまり、恵まれた者(才能にも運にもーそれは天賦のものだから)は「持ち出し」ばかりを当然とする社会・経済、これを「交換経済」=商取引に変わる「贈与経済」と呼ぶ。に移行すべきであろうと考える。
その際のキーワードは「成熟」である。
人間集団を形成する本質的力はモースもマリノフスキーもレヴィ=ストロースも「贈り物」とそれに対する「反対給付」と見做している。

現代資本主義を知る上で恰好の指摘がある。
誰か知恵者が消費行動の動機に「象徴的価値」つまりアイデンティティという基礎付け(要するにブランド商品)を採用したことにより市場(パイ)は「身体」という限界を超え原理的に無限となった。しかし、これでは切りがないからこれと訣別すべきと考える。それでは住み難くなるからである。
世界は、今より住み易くなるかどうかの制度設計をすべきという考えである。

私たちが共同体のシガラミに少々辟易していたところに、高度成長という僥倖に恵まれて「自由」も転がり込んで来たというのが事実であろう。そして、安手の「近代」を掴んでしまった。
そして、それにつれていつの間にか全て「他人が悪い」、自分は悪くないという他責的で未成熟な言説がメディアの音頭取りによって急速に拡がった。ところが時代は転回し豊かさが急速に萎んできて多数がプアーになりつつある。
呪いの時代とは「身体」でなく「幻想」に生きる時代なのである。「このようなものでしかない」自分を受け入れず、承認せず、祝福せず、自分探しという自分でない突っかい棒を求めて彷徨うことであるというのは腑に落ちる。
この本はエッセイという形をとっているが思わず成程と頷いたり、共感したり、気分が良くなることが各所に散らばっていて読みどころ十分となっている。
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知の疾走 2011/12/7
 おもしろい映画、サッカーの試合は、時間が瞬く間に過ぎて行く、内田樹の書籍は常にそうである。今回の書籍もまさしく、知の疾走である。霞ヶ関で購入して、新大阪に着くまでの新幹線の間で読んだが、その移動時間が一瞬になった。約3時間、集中して読書したのは久々だった。

 内容は、いつもブログにて主張していること
・脳内(幻想)で生きるのではなく、身体感覚(皮膚感覚)を研ぎ澄ます必要性がある。リスクとデンジャ―の相違を基に、9.11及び3.11の解説は、何度よんでも日常に通じる。確かに自分の「アラーム」は常に大事だ。
・交換経済から贈与への転換を図るべきである。なお贈与とは、内田樹の情報リテラシーの主張(IT技術が問題でなく、文化的資本に因るより良い情報を得れるヒトであるか)とも関係し、貨幣に限らず素養も含まれる。
・自己は他者により規定されることから、自分探しは、出口が無い。俺様化する子供達及び人を見下す若者の著書の分析より、やはり、ヘーゲルから洞察した内田樹の指摘が的確である。

 あたりまえのことがあたりまえでなくなった日本において、あたりまえのことが言える内田樹はすごいと思うと共に、この書籍を通して、内田樹のような「大人」がこれから、一人でも増加してほしい。(これも内田樹の受け売りだが・・・)

 最後に、個人的な話しになるが、オールジャンルでは「思想としての3.11」の佐々木中が、今年の一番であるが、エッセーでは、この著作が、今年のベストである。

 
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いい本です。
まだ途中ですが良い本です。
いろんな形で、この「呪い」は顔をだしてきます。
明解に書いてあるのでとてもすっきりします。... 続きを読む
投稿日: 19日前 投稿者: simulation23
「呪詛の効果を抑制し、贈与を活性化すること」(285頁)
本書の最終メッセージはこの点に尽き、要は自己への惑溺を捨てて足の引っ張り合いは止め、少しでも住み易い社会の建設に向けまず自らが一歩を踏み出そうではないか、というこ... 続きを読む
投稿日: 1か月前 投稿者: 麒麟児
呪いと祝福で現代を読み解く
内田樹『呪いの時代』(2011)を読む。
文章は平易だが決して読みやすい本ではない。... 続きを読む
投稿日: 1か月前 投稿者: yukio1118
「呪い」を否定しながら、橋下市長ら他人を「呪っている」著者。
言ってることはもっともらしいが、やっていることは著しく矛盾している人だな、と思いました。... 続きを読む
投稿日: 3か月前 投稿者: 呪歌
ちょうど
システムの更新作業中に障害を起こしてしまいました。... 続きを読む
投稿日: 4か月前 投稿者: 山無駄
左派による懐古主義
基本的に内田先生は

「現状には確かに問題あるけど、ガラガラポンの改革には反対です。... 続きを読む
投稿日: 4か月前 投稿者: 量産型森崎mk2
人を呪わば穴ふたつ
本書が誕生したきっかけは、著者がある日編集者に「現代は呪いの時代である」と呟いたからだそうだ。これを切り口にして「婚活」「草食系男子」など「日本辺境論」以降の日本... 続きを読む
投稿日: 4か月前 投稿者: あまでうす
呪器に満ちあふれた現代社会
嫉妬が呪いになってしまう。IT社会は簡単な呪いの道具を、我々に提供した。呪いを解くには価値観をコミュニティと同一にしないこと。最近の内田先生の発信してていたことを... 続きを読む
投稿日: 4か月前 投稿者: 3
「呪い」に満ち溢れた社会で次になすべきことの提案
現代社会で呪いを語ることの意味を感じる人は多くないでしょう。私もその一人です。著者が内田樹氏でなければ手には取らないタイトルです。本書では、私たちに人知れず浸透し... 続きを読む
投稿日: 4か月前 投稿者: Coffey man
「これから必要な絆を創ろう」という提言のメッセージ
タイトルは軽い感じに思えましたが、内容は格調が高く、よい本でした。ちょうどこの本を読み始めた頃、ある友人と会っていて、メディアが「人間の絆」というキーワードで何か... 続きを読む
投稿日: 5か月前 投稿者: kotaro
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