手に取ってあらすじを見、第一章から読み始め、気が付いたら第一章の半ばを過ぎていたので、観念してレジに持って行きました。
読み始めたら止まらない。ぐいぐい引き込まれる。
しかし、読んでいて楽しいわけではないという、何とも奇妙な読後感です。
「知りたい」欲求を次々満たしてくれる本、というのでしょうか。
そういう意味では、好奇心満々で教師の話を聞いていた生徒たちと似たようなスタンスでいたのかなと思う。
「ちょっとこわい、でも知りたい。」
まるでセンセーショナルな事件についての週刊誌の記事を読んでいるような感じ。
そういう意味では、本当かどうかはあまり関係なく、ただ野次馬的に「知りたい」と思ってページをめくった。
だから、感情移入はなかった。
敢えて言えば、森口先生の「子供を殺された悲しみ」。
それと、まわりを「馬鹿ばっかり」と見下す少年A。
いろいろ性格と立場の違う登場人物が用意されているので、見方が近い人は見つかると思う。
(後でそれが裏切られたりするけれど。)
皆さん仰っているように、読後感は、よくはない。
「あの時ああしていれば・・・」「思いとどまっていれば・・・」「そんな思い付きがなければ・・・」「その一言さえ口にしなければ・・・」の連続だから。実生活だったら堪えられません。個人的に、その逆の連続の小説の方が好きだ。
すごいなと思ったところは、少しずつ、前の語り手の斜め上を行く真相を次の章で開いて見せて行ってくれることかな。
よく練って作られたお話だと思います。
それだけに、登場人物の行動や心理が、ストーリーのために準備されたものであるような印象は否めません。
語られたことがすべて真実かどうか?
ということは、読後一日たって、重要なことではなくなっています。
ただ、Aの母の反応は、知りたかった。
何とも、無責任な感想です。もっと親身になって考えればいいのに・・・それがない。
これが一番「後味が悪い」と思う原因かもしれない。