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“思弁家”ゆえに、思いと言葉が一つにつながらず、世間とうまくコミュニケーションがとれない熊太郎。
村の人間には馬鹿かやくざか厄介者と思われてしまっているけど、ほんとは生きるのが下手なだけのいいやつ。
自分はこのままで終わる人間ではない・・・
いつかは・・・
そう思い続いてきた熊太郎の行く末は、自分を利用し、馬鹿にし、裏切った人間たちとその親族達を大量に殺すこと・・・!!
終盤までは決して人前では読めない(必ずふきだしてしまうから)くほほと笑いのこぼれる町田ワールドですが、大量殺人の場面以降は笑いどころか凄まじさに圧倒されながら震えて読みました。
弥五郎と熊太郎の関係も素晴らしい。
男同士っていいですね。
熊太郎への恩を忘れず、絶対的に味方をしてきた弥五郎の中に
たった一度だけの迷いが出たときに起こってしまった事件。
あのときの弥五郎の後悔・・・あれを思うと女の私でも男泣きします。
“二人で無茶すること”の結末がああいう形で終わってのは、
二人にとっても読者にとっても幸せなことでした。
人一倍悩み考えているのに、必ず失敗や後悔を引き起こす。
熊太郎は人間くさすぎるといっていいほど、人間らしかった。
人間のもっとも根源にある泥臭さや醜さ、そして逆に美しさも嫌というほどに見せ付けられる魂の小説でした。
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